EVM互換サイドチェーンをXRPレジャーのメインネットでローンチ。イーサリアムのdAppsをXRPLエコシステムに統合する。
リップルの開発者チームは6月30日、EVMと互換性のあるサイドチェーンをXRPレジャー(XRPL)のメインネットでローンチした。
この統合により、イーサリアム(ETH)ベースのdAppsがXRPLエコシステム内で動作可能になる。
開発者チームによると、このサイドチェーンは秒間最大1,000トランザクションを処理できる能力を持つ。
これはイーサリアムのメインネットを上回る速度であり、コスト効率の面でも優位性を持つと考えられる。
1/ The XRPL EVM Sidechain is live on mainnet: https://t.co/CJ61aqZvhp
After years of building with @Peersyst and the XRPL community, devs can now build, port, and deploy cross-chain and EVM-only dApps using XRP as gas, with a direct bridge to the XRPL.
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— RippleX (@RippleXDev) June 30, 2025
イーサリアムとの架け橋となる戦略的相互運用性
今回のEVMサイドチェーンは、イーサリアムが持つ広範な開発者コミュニティとdAppsエコシステムを、XRPLの持つ高い処理能力に結びつける戦略的な一手だ。
開発者は、Solidityで書かれたスマートコントラクトを展開し、メタマスクやHardhatといったイーサリアムのツールを活用できる。
同時に、XRPLインフラが持つ高速なトランザクション処理と低い手数料という恩恵を受けることができる。
これにより、イーサリアムエコシステムとの互換性を維持しつつ、XRPのスケーラビリティを利用することが可能だ。さらに、暗号資産(仮想通貨)XRPがマルチチェーン資産としての地位を確立することを目指している。
この取り組みは、単なる技術的な統合にとどまらない。
リップルのデビッド・シュワルツ最高技術責任者(CTO)は、このサイドチェーンがXRPLの核となる信頼性や効率性を損なうことなく、その機能を拡張するものだと強調している。
開発者の採用とエコシステムの拡大
この新しいサイドチェーンに対する開発者の関心は高く、すでにテストネットの段階で87以上の団体が開発を開始している。
注目すべきは、その多くがこれまでXRPLでの開発経験がなかった点であり、新規開発者の参入障壁を低減させる効果が期待される。
Band Protocol、Grove、Squidといったプロジェクトが既に関心を示しており、Strobe、Securd、Vertexなどの参加も見込まれている。
特に、分散型金融(DeFi)分野での活用が期待されている。
600万以上のウォレットに支えられるXRPの流動性を、流動性プールやイールドファーミングといったユースケースで解放することが目標だ。
開発パートナーであるPeersystとリップルは、これをより広範なマルチチェーン統合に向けた基礎的な一歩と位置づけている。
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