リップルは、ステーブルコインRLUSDで2,500万ドルを拠出すると発表。米国の小規模事業者や退役軍人支援を行う。
リップル社は15日、米国の小規模事業者と退役軍人のキャリア支援プログラムを対象に、同社発行のステーブルコインであるRLUSDで2,500万ドルを拠出すると明かした。
この資金は、非営利団体のアクシオン・オポチュニティ・ファンドとハイヤー・ヒーローズUSAに提供される。
ステーブルコインがもたらす社会貢献の新たな形
アクシオン・オポチュニティ・ファンドは、今回の寄付を活用して融資能力を拡大する。これにより、全米で約1億2,500万ドルの小規模事業者向け融資が新たに生まれる見込みだ。
また、恵まれない環境にある起業家を支援するアクセラレータープログラムにも資金が充てられる。
一方、ハイヤー・ヒーローズUSAは、退役軍人とその配偶者のために約14,000件の雇用機会を創出する計画だ。
この一環として、金融技術分野でのキャリア構築を目指すフィンテック・パスウェイズプログラムも新たに開始する。
今回の寄付により、リップルの2025年における米国内での慈善活動への貢献額は合計5,000万ドルを超えた。
リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOは、この取り組みを米国の経済的強靭性への長期的投資と位置づけている。
同氏は、従来の銀行システムが十分に対応できていない分野で、ステーブルコインが地域社会の発展を促進できる実例だと述べた。
10億ドル規模の経済効果と技術的実証
今回の慈善活動への資金提供にステーブルコインを用いるという戦略は、ブロックチェーン技術の実用性を浮き彫りにする。
RLUSDでの送金は、従来の銀行システムに伴う遅延を解消し、支援先の団体が即座に資金へアクセスできる。
これにより、非営利団体はデジタルウォレット管理の経験を直接得られる。
両パートナーシップによる経済効果は、合計で約10億ドルに達すると推定されている。
従来の助成金とは異なり、ステーブルコインを活用したモデルは決済処理時間を数日から数秒に短縮し、取引コストを最大70%削減する可能性がある。
発表では、XRPや取引所との連携には言及されておらず、リップルがRLUSDを慈善活動の手段として戦略的に位置付けていることがうかがえる。
この動きは、リップルが世界中の300以上の金融機関と提携し、機関投資家向け決済分野での拡大を進める中で行われた。
スペインの大手銀行BBVAとの提携合意直後の発表というタイミングは、同社の技術が持つ多様性をアピールする戦略の一環とみられる。
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