2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。
動画共有プラットフォームのランブルは10日、ステーブルコイン大手のテザーの支援を受け、AI関連企業ノーザン・データを買収することを明かした。
この取引は、ランブルが8月10日にノーザン・データとの戦略的取引の可能性を検討していると発表したことに続くものだ。契約に基づき、ランブルはノーザン・データの全株主に対し、自主的な公開株式交換の申し出を行う。
前週金曜日の取引終了時のランブルの株価に基づくと、この取引の評価額は約7億6700万ドルに上る。既存のノーザンデータの投資家は、合併後の会社の約30%の株式を受け取る見込みだ。
この買収により、ランブルはノーザン・データが持つデータセンター網へのアクセスを得る。計画容量180メガワット、約2万2400基のNvidia製GPUを活用し、Rumble Cloudの能力を大幅に強化する。
これは、ノーザン・データが11月5日にビットコイン(BTC)のマイニング部門であるピーク・マイニングを売却した動きに続くものだ。同社はビットコインマイニング事業から撤退し、AIサービスに専念する戦略的転換を図っていた。
今回の買収は、ランブルが掲げる自由第一という技術ビジョンによって推進されている。これは、中央集権的な巨大テックプラットフォームの代替として、自由、プライバシー、独立性に基づいた次世代エコシステムの構築を目指すものだ。
ランブルのクリス・パブロフスキー会長兼CEOは、「巨大テックとは異なり、これはテクノロジーが管理するのではなく、力を与える未来を象徴している」と述べている。
この取引は、支配的なテック企業内でのAIインフラの中央集権化に対する懸念に対応するものだ。また、このビジョンは、特定の管理者を必要としない分散型自律組織(DAO)の理念とも共鳴する部分がある。
ステーブルコイン大手のテザーは、この買収を可能にする上で重要な役割を果たしている。同社は以前ランブルに7億7500万ドルを出資しており、今回の取引でも追加支援を提供する。
テザーは買収完了後、3年間にわたり合併後の会社から1億5000万ドル相当のAIコンピューティングサービスを購入することを約束した。さらに、今後2年間で2億ドル相当の広告出稿も約束している。
パブロフスキーCEOは、「ノーザン・データ、テザー、そしてランブル。これが、我々が未来のAIエコシステムを一から構築する方法だ」と述べた。同社は、金融サービス、AIチャットボット、生産性向上スイートなどを含む包括的なエコシステムの構築を計画している。
この新しいエコシステムが、P2P技術を基盤とした仮想通貨とどのように異なる価値を提供していくのか、今後の展開が注目される。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。