ストラテジーのマイケル・セイラー執行会長は、現在のビットコイン市場を健全な調整局面と分析。機関投資家参入への道が開かれると述べた。
ストラテジーの共同創業者・現会長のマイケル・セイラー氏は21日、現在の暗号資産(仮想通貨)市場は健全な調整局面にあるとの見解を表明した。
初期のビットコイン(BTC)保有者が利益を確定する一方、機関投資家は市場のボラティリティ低下を待って大規模な参入を準備していると指摘した。
機関投資家参入に向けたビットコイン市場の「健全な調整」
セイラー氏が指摘する市場の現状は、初期のビットコイン保有者(OG)が段階的に保有資産を手放すことで、市場に浄化作用が働いているというものだ。
これによりボラティリティが低下し、市場の安定性が高まる。同氏は、この動きが機関投資家が参入しやすくなるための環境整備につながると分析している。
同氏はまた、過去1年間でビットコインが100%近く上昇したことに言及し、市場が調整期間にあるにもかかわらず、その強固な基盤が維持されていることを強調した。
この安定性と成長の兆候は、これまで市場参入をためらっていた機関投資家にとって、戦略的な投資機会を創出している。
セイラー氏は、多くの機関投資家がビットコインへの大規模な資産配分を本格的に検討し始めていると述べ、市場の成熟を確信している姿勢を見せた。
セイラー氏が率いるストラテジー社自身も、機関投資家向けモデルの先行事例となっている。
同社は2025年8月に155BTCを追加取得し、総保有量を62万8,946BTCまで拡大した。
この積極的なビットコイン保有戦略は、機関投資家がデジタル資産をバランスシートに組み込む際のモデルケースとして、広く市場から注目されている。
ビットコイン投資の新潮流と金融市場の未来
ストラテジー社は、ビットコインへの投資資金を確保するため、社債発行や株式売却に加え、利回り12%の優先株(STRC/STRK)といった革新的な資金調達手法を導入している。
特に、月次配当9%を提供する25億ドル規模のSTRCは、伝統的な金融商品とデジタル資産の特性を融合させた先駆的な事例だ。
セイラー氏は、ビットコインが「デジタルゴールド」として機能し、経済的な不確実性に対する有効なインフレヘッジになるとの持論を改めて示した。
さらに、今後20年間にわたりビットコインの価値が年平均29%のペースで上昇し続けると予測。この成長が、新たな金融商品の創出を促すだろうと見通している。
ストラテジー社の株式は、ビットコイン価格と強い相関性を持つ「代理資産」と見なされており、同社の動向は機関投資家による仮想通貨採用の先行指標として、市場関係者から注視されている。
セイラー氏の戦略と発言は、単なる企業活動に留まらず、伝統的な金融市場とデジタル資産市場がどのように統合していくかを示す重要なヒントを提供している。
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