SBIリップルアジアとドップラーがXRPL上の利回りインフラとRWAトークン化分野で提携。機関投資家向け金融サービス拡大を目指す。
SBIリップルアジアとドップラーファイナンスは17日、XRPレジャー(XRPL)上での利回りインフラ構築に向けた覚書を締結したことを明かした。
両社は今回の提携を通じて、XRPLを活用した利回りインフラの開発と、現実資産(RWA)のトークン化について協業を検討する。SBIリップルアジアにとって、XRPLネイティブのプロトコルとの提携は今回が初の事例となる。
この動きは、XRPLにおける機関投資家向け金融サービスを前進させ、伝統金融とオンチェーン経済をつなぐ取り組みと位置づけられる。
機関投資家向けの利回り提供と資産管理
ドップラーファイナンスは、XRPL上で機関投資家グレードの利回りインフラを提供している企業だ。現在、リップル(XRP)の預け入れに対して年利約3.5%の利回りを提供しており、XRP保有者が資産を運用できる環境を整えている。
今回の取り組みでは、シンガポール金融管理局の規制下にあるSBIデジタルマーケッツがカストディ(資産管理)を担当する。顧客資産を分別管理することで、取引所に関連するリスクから資産を保護する仕組みを提供する。
ドップラーファイナンスの預かり資産総額は、発表時点で7880万ドルを超えている。同社は、XRPベースの利回り機会における機関投資家向けゲートウェイとしての地位確立を目指している。
現実資産のトークン化と市場の拡大
提携の背景には、利回りを生む暗号資産(仮想通貨)への需要増加と、現実資産(RWA)トークン化への関心の高まりがある。
RWAには不動産や美術品、有価証券などが含まれ、これらをブロックチェーン上で扱うことで新たな運用機会が生まれる。SBIグループが持つ日本およびアジアでの広範なネットワークと、ドップラーの技術基盤を組み合わせることで、XRPの有用性を拡大させる狙いだ。
ドップラー側は、この提携を日本市場における節目の取り組みと位置付けている。
両社は今後、規制に準拠した形でXRPエコシステムの発展を目指していく。特に、セキュリティとコンプライアンスを重視した金融商品の開発が進められる予定だ。
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