SEC、デジタル資産4分類に|トークン分類法で証券性再定義

SECのアトキンス委員長がデジタル資産を4つに分けるトークン分類法を発表。証券性を明確化しつつ、市場の透明性と健全な発展を目指す。

星 瑞希 By 星 瑞希 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
SEC、デジタル資産4分類に|トークン分類法で証券性再定義

Key Notes

  • SECがデジタル資産を4つに分類するトークン分類法を発表し、規制の明確化を図る.
  • ネットワークの分散化に伴い、トークンの分類が証券から非証券に変化する可能性を認める.
  • 執行中心だった前体制から転換し、議会や他機関と連携してイノベーションを重視する姿勢を示す.

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は12日、デジタル資産の新たな分類法、トークン分類法の計画を明らかにした。

フィラデルフィア連邦準備銀行主催のフィンテック会議での演説で発表されたこの枠組みは、米国法における証券の定義を長年確立してきたハウイ・テストに基づいている。どのデジタル資産が証券に該当するかを明確にすることを目的としている。

この動きは、執行を重視したゲーリー・ゲンスラー前委員長の姿勢からの大きな転換点となる。アトキンス氏は、SECがすでに複数の仮想通貨関連の調査を終了したと述べた。

この分類法は、同委員会が2025年8月5日に正式に立ち上げた包括的な取り組みであるプロジェクト・クリプトの一環だ。

トークン分類法の4つのカテゴリー

アトキンス氏が示した新しい分類法は、暗号資産(仮想通貨)を4つの異なるグループに分ける。

具体的には、分散型システムに関連するデジタル商品またはネットワークトークン、アート作品やゲーム内資産などのデジタル収集品、会員権やチケットとして機能するデジタルツール、そして金融所有権を表すトークン化証券である。

同氏は、「ほとんどの仮想通貨は証券ではない」と強調した。さらに、トークンが発行当初は証券と見なされても、ネットワークが分散化し発行者の管理が及ばなくなると、その分類から外れる可能性があるという考え方を示した。

また、「ネットワークは成熟し、コードは実装され、管理は分散する。ある時点で、購入者はもはや発行者の経営努力に依存しなくなる」とも同氏は説明している。

この柔軟なアプローチは、ブロックチェーン技術の進化を規制が認識していることを示唆する。

議会や他機関との連携でイノベーションを促進

今回のSECによる仮想通貨規制の枠組みは、「現在議会で審議中の複数の市場構造法案と連携するものであり、それに取って代わるものではない」とアトキンス氏は述べた。

SECは、商品先物取引委員会(CFTC)や州の規制当局とも協力し、証券に分類されない資産が適切な規制下に入るよう調整を進める。この提案には、特定の資産がCFTCや州当局の監督下にある非SEC規制のプラットフォームで取引されることを許可する内容も含まれる。

SECはより革新を促進するアプローチを取るが、アトキンス氏は「法執行の緩和を約束するものではない。詐欺は詐欺であり、その点は変わらない」と釘を刺した。

最終的な目標は、米国がブロックチェーン技術とオンチェーン金融市場における世界的リーダーであり続けることだ。

Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。

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星 瑞希

2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。

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