2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。
資産トークン化プラットフォームのSecuritizeは28日、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて株式を公開する計画を明かした。
今回の取引は、キャンターフィッツジェラルドが支援するSPACのCantor Equity Partners II(CEPT)との事業統合契約に基づくものだ。この合併により、Securitizeの評価額は12億5000万ドルに達し、実物資産(RWA)のトークン化に特化したインフラを持つ企業として業界初の上場事例となる。
Securitizeは、最大で4億6900万ドルの総収入を見込んでいる。内訳は、新規および既存の機関投資家が参加する上場企業による私募増資(PIPE)による2億2500万ドルと、CEPTの信託口座に預けられている2億4400万ドルだ。
同社は、米国証券取引委員会(SEC)に完全に登録された唯一のフルスタックのトークン化プラットフォームであり、すでに45億ドルを超える資産をトークン化し、市場の20.8%のシェアを占めている。
これまでの実績には、ブラックロックのBUIDLファンドやKKRのヘルスケア戦略的成長ファンドIIなど、著名な金融商品のトークン化が含まれる。
Securitizeのインフラは15の主要なブロックチェーンにまたがっており、証券ライフサイクル全体で規制当局の完全な登録を受けた唯一のプラットフォームとしての地位を確立している。
この合併計画は、機関投資家からの強力な支持を得ている点が特徴だ。Arche、Borderless Capital、Hanwha Investment & Securities、InterVest、ParaFi Capitalなどが主導するPIPEは、すでに全額引き受けが確定している。
さらに重要なのは、ブラックロック、Apollo、KKR、モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメント、ヴァンエックといった既存の主要投資家が、保有する全株式を合併後の新会社に持ち越すことだ。
これは、伝統的な金融機関がブロックチェーン技術の導入を本格化させていることの表れであり、資産トークン化分野に対する前例のない信頼を示している。
業界分析によると、実物資産トークン化の潜在的な市場規模は19兆ドルにも上るとされており、Securitizeの取り組みは巨大な市場機会を捉えるものとなる。同社がSEC登録の包括的なプラットフォームとなることで規制上の道を切り開いたことが、機関投資家の参加を可能にする重要な要因となった。
Securitizeは、今回の株式公開の一環として、自社の公開株式をトークン化する計画も進めている。この動きは、資本市場の活動を完全にオンチェーンで実行する実現可能性を実証するものであり、公開資本市場全体でのブロックチェーン活用を促進する可能性がある。
同社は上場企業のトークン化のために特別に設計された、FG Nexusフレームワークを開発しており、自社の上場プロセスでもこれを活用する。
Securitizeは、技術提供者であると同時に規制対象の事業体という二重の役割を担っており、すべてのインフラコンポーネントが適切な金融当局に登録されている点が強みだ。
この先進的な取り組みは、主要なブロックチェーンやステーブルコイン、DeFiプロトコルとのシームレスな統合を可能にし、デジタル資産エコシステム全体の相互運用性を高める。今回の株式公開と自社株のトークン化は、資本市場インフラの根本的な変革を示す重要な一歩となるだろう。
このような技術革新は、仮想通貨投資の新たな可能性を開くものでもある。
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2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。