5G/IoTチップメーカーのSequans3億8,400万ドルの資金調達を実施し、ビットコインを財務資産に加える計画を公表した。
5G/IoT向け半導体メーカーのセカンズは23日、3億8,400万ドルの資金調達を通じたビットコイン(BTC)財務計画を公表した。
計画では、株式発行で1億9,500万ドル、担保付転換社債で1億8,900万ドルを調達する。
この資金調達は、6月30日に予定される株主総会での承認を条件としており、7月1日の完了を見込んでいる。
新たな財務戦略
調達された資金は、ビットコインの購入に充てられる見込みだ。
この取り組みは、資産を多様化し、企業の財務的な強靭性を高めることを目的としている。
同社のジョルジュ・カラムCEOは、ビットコインを長期的な価値の保存手段と位置づけ、株主への利益向上に繋がる可能性を強調した。
この戦略は、既に仮想通貨を財務資産に組み入れているストラテジー社などの動きに続くものだ。
市場の変動に対するヘッジとして、企業の資産ポートフォリオにビットコインを加える事例が増えつつある。
最近では、ビットコインETF(上場投資信託)の承認なども、企業が仮想通貨投資に踏み出す追い風となっている。
NYSEからの圧力
この戦略転換の背景には、同社がニューヨーク証券取引所(NYSE)から時価総額や株主資本の不足について警告を受けていたことがある。
今回の計画は、こうした経営課題への対応策の一環として進められた。
計画実行にあたり、同社は財務管理サービスを提供するSwan Bitcoinと提携し、ビットコインの安全な保管や規制遵守といったプロセスを円滑に進める。
一方でSequansは、中核事業である4Gおよび5GのIoT技術開発への注力も継続する方針を示した。財務戦略と事業運営の両立を目指す姿勢を明確にしている。
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