米国でソラナETFが好調な取引高でデビューしたものの、SOLの価格は下落。市場では「ニュースで売る」現象との見方が広がっている。
ソラナ(SOL)の価格は4日、週間比18.6%のマイナスを記録した。
これは、米国で28日にソラナの現物ETFが取引を開始し、市場で強い関心を示す活発な取引高を記録した動きとは対照的だ。
こうした現象は市場で典型的に見られる「ニュースで売る(buy the rumor, sell the news)」の一例とされている。
ソラナETF、記録的な取引高でデビュー
米国初のソラナ現物ETFとして注目されたビットワイズ社のBSOLは、取引初日に今年の新規上場ETF約850本の中で最高の取引高を記録し、市場に衝撃を与えた。初日の取引高は5600万ドルに達したと報じられている。
ブルームバーグのエリック・バルチュナスETFアナリストは、BSOLの2日目の取引高が7200万ドルに達したことについて「非常に印象的で良い兆候だ」と評価した。同氏はまた、GSOLがBSOLの1日後に上場したことが競争上不利に働いた可能性を指摘している。
ETFの取引高は通常、上場初日の熱狂が冷めると減少する傾向があるが、BSOLの取引高が増加したことは特筆に値する。
ローンチ直後にもかかわらず、ビットワイズ社とグレースケール社のソラナETFは、運用資産総額が5億ドルを超えるなど、機関投資家からの強い関心を集めている。
「ニュースで売る」現象、SOL価格は200ドル割れ
ETFへの旺盛な資金流入とは対照的に、ソラナの価格は下落に見舞われた。
ソラナの価格は過去24時間で8.8%下落し、163ドル台で取引されている。ETF承認への期待感から過去2カ月間で築いた上昇分のほとんどを失う形となった。
市場では、この値動きを「ニュースで売る」現象と捉える見方が優勢だ。これは、好材料が発表される前に期待感から価格が上昇し、発表直後に材料出尽くしで価格が下落する市場心理を指す。
アナリストの一部は、ソラナETFの承認と成功裏のローンチが、価格を300ドルから500ドルの範囲に押し上げると予測していたが、実際には弱気相場に転じた。
今回のソラナを巡る動きは、伝統的な金融市場での採用拡大が必ずしも仮想通貨の短期的な価格上昇に直結しないことを示す事例となった。
ソラナの今後は、機関投資家の長期的な関心と、短期的な市場心理の綱引きの中で方向性を探ることになりそうだ。今回の出来事は、改めて仮想通貨投資におけるリスクと機会を投資家に提示したと言えるだろう。
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