2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。
韓国金融委員会(FSC)は10日、ウォン建てステーブルコインに関する規制法案の提出を延期したと明らかにした。
韓国政府は当初、2026年1月の施行を目指し、12月10日を規制案提出の期限としていた。しかし、FSCの広報担当者は、関係機関との調整に時間を要し、期限内の提出が困難だったと説明している。
現在、韓国では暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインの発行が法律で禁止されており、この規制環境が市場の不確実性を高めている。政府は企業発行を認めることで、米国や日本などの先行国に追いつく狙いだ。
準備中のデジタル資産基本法は、ウォン建てステーブルコインのルール整備と、発行・流通の監視体制構築を目的としている。
法案提出が遅れている最大の要因は、FSCと韓国銀行(BOK)の根本的な意見対立にある。焦点はステーブルコインの発行管理権だ。
BOKは通貨政策の有効性と既存のコンプライアンス維持を理由に、銀行が発行体の過半数株式を保有すべきだと主張している。発行承認の拒否権や立ち入り検査権限、さらに大手テック企業の参入制限も求めている。
一方、FSCは技術企業の役割を重視し、より開放的なエコシステムによるイノベーション促進を掲げる。EUや日本を例に、フィンテック企業が発行主体となり、FSCの承認で十分だと反論している。
世界では7割以上の国が規制整備を進め、制度競争が激化する中、日本では円連動型ステーブルコインJPYCの実運用が進み、韓国にとって重要な先行事例となっている。
こうした動きが制度見直し圧力を高める一方、国内では銀行、フィンテック、規制当局による三つ巴の構図が鮮明になっている。
FSCは近く、デジタル資産基本法の詳細を公表する方針で、報道では今月末から来月初旬の公開が見込まれている。政治的期限に左右されず、国民の知る権利を重視し、国会提出と同時に一般公開する考えだ。
規制の先行きが不透明な中、市場は敏感に反応しており、この動きはビットコインなど仮想通貨市場全体への波及も懸念される。2025年後半には、ステーブルコイン関連企業の株価が大きく変動した。
与党が提案するデジタル資産イノベーション法では、資本金10億ウォン規模の企業参入を認める案が浮上する一方、銀行業界からは安全性への懸念が出ている。
規制不足による不安定化と、過度な規制による成長阻害という二つのリスクが存在し、調整が難航すれば議員立法で進められる可能性もある。
制度設計の成否は、世界市場における韓国の立ち位置を左右する重要な局面となる。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。