韓国金融委員会は10月、ステーブルコインの発行や担保管理を含む規制法案を国会に提出する予定だ。ウォン連動型コインの普及を目指す。
韓国金融委員会(FSC)は18日、ステーブルコインに関する規制法案を10月に国会へ提出することを明らかにした。
今回の法案は、暗号資産(仮想通貨)市場における安定性確保を目的とした包括的な措置の一環だ。
政府が進めるバーチャル資産利用者保護法の第2段階に位置づけられる。
規制法案の概要
法案には、ステーブルコイン発行者に対する厳格な要件が盛り込まれている。
特に、1:1の韓国ウォン準備金の確保や第三者監査による担保資産チェック、発行者の内部リスク管理体制の標準化などが含まれる。
また、リアルタイムの報告システム導入も義務づけられる見通しだ。
これらの規定は、金融情報法の改正を通じて実施される。
さらに、規制の枠組みは信託型モデルと銀行預金を裏付けとする直接発行モデルの両方を想定しており、最終的な制度設計は今後の議論に委ねられている。
消費者保護の観点からは、担保構成の開示義務やストレステスト実施も設けられる予定だ。
国内外の動きと規制の背景
韓国政府は、ドル連動型ステーブルコインへの依存を問題視しており、国内でのウォン連動型コイン普及を国家戦略の一部と位置づけている。
背景には、グローバルなデジタル金融における仮想通貨主権の確立を重視するイ・ジェミョン大統領の政策方針がある。
この動きに呼応する形で、国内の主要銀行であるKB国民銀行、新韓銀行、ウリィ銀行、ハナ銀行がすでに議論を進めており、ネイバーやカカオといった大手IT企業も参加している。
また、農協銀行やシティバンク韓国を含む8行のコンソーシアムは、2026年初頭のウォン連動型ステーブルコイン発行を目指している。
国際的にも、金融活動作業部会(FATF)の基準に沿ったマネーロンダリング対策の強化が求められている。
今後の展望
制度が導入されれば、韓国は欧州連合のMiCA規制や香港のステーブルコイン政策に並ぶ動きを見せることになる。
とくに市場の安定性確保や国際決済システムとの互換性確保を重視しており、SWIFTやCBDCとの連携も視野に入れている。
法案が予定通り可決されれば、早ければ2026年後半にも施行される。
仮想通貨投資における不透明さを解消しつつ、国内外の金融システムに安定的に接続できる環境整備が進むとみられる。
さらに、投資家にとっては仮想通貨おすすめの選択肢が変化する可能性も注目されている。
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