英スタンダードチャータード銀行が、規制対応を踏まえた機関投資家向け仮想通貨プライムブローカレッジ事業を計画していると報じられた。
英金融大手のスタンダードチャータード銀行は12日、暗号資産(仮想通貨)のプライムブローカレッジ事業を立ち上げる計画であると報じられた。
ブルームバーグの報道によると、同行はイノベーション部門であるSCベンチャーズを通じて新事業を設立する準備を進めている。
運用資産約8500億ドルを誇る同行は、ヘッジファンドや資産運用会社などの機関投資家を主な顧客ターゲットに据える方針だ。
新たなサービスでは、デジタル資産の保管(カストディ)、資金調達、リスク管理ツールなどを統合して提供する予定である。
同行はすでにZodia Custodyなどを通じて機関投資家向けのサービスを展開しており、今回の動きはこれまでの取り組みをさらに拡大するものとなる。
規制対応と資本効率の追求
銀行本体ではなくベンチャー部門に事業を置く主な理由は、厳格な自己資本規制を回避するためだとされている。
バーゼルIII規制では、銀行がビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの未承認の仮想通貨を直接保有する場合、非常に高いリスクウェイトが適用されるからだ。
ベンチャー部門を通じてサービスを構築することで、銀行は規制上の負担を軽減しながら機関投資家の需要に応えることが可能になる。
これにより、従来の証券サービスと同等の安全なインフラを求める投資家のニーズを取り込む狙いがある。
将来的に仮想通貨の時価総額上位に位置する主要銘柄や、新たに注目を集めるデジタル資産を取り扱う局面においても、こうした堅牢な体制が重要性を増すとみられる。
競争激化と市場への影響
仮想通貨市場では、リップル(XRP)による企業の買収など業界再編が進んでおり、金融機関によるサービス開発競争が激化している。
スタンダードチャータード銀行はアジアや中東など59の市場で事業を展開しており、新興国での需要取り込みでも優位性を持つ。
現在、このサービスは初期の計画段階にあり、具体的な開始時期は未定だ。
しかし、大手銀行が仮想通貨関連事業への参入を進めていることは、金融機関によるデジタル資産分野への関与が拡大している現状を示している。
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