Swift、決済システムにブロックチェーン導入実験を開始

On 9月 29, 2025 at 10:18 pm UTC by · 1 min read

SwiftがBNPパリバなどと協力し、決済メッセージングシステムをイーサリアムのL2で運用する実証実験を開始。国際送金の未来を左右する。

国際銀行間通信協会(Swift)は29日、決済メッセージングシステムをブロックチェーンへ移行する実証実験を開始することが明らかになった

このプロジェクトはBNPパリバやBNYメロンを含む十数行の国際的な銀行と協力して進められており、国際的な銀行間決済システムの技術的変革を目的としている。

Swiftは世界中の1万1000以上の銀行を結ぶ金融メッセージングネットワークだ。

ブロックチェーン導入を後押しする要因

このテストでは、中核的なメッセージングシステムをイーサリウム(ETH)のレイヤー2ネットワークLinea上で運用し、国際決済における技術的変革を目指す。

現在のSwiftシステムは、高コストで遅く、仲介者に依存しているとの批判があった。

この実験は、より高速な決済を求める金融業界の圧力や、リップル(XRP)のような競合との競争が動機となっている。

通信と決済を統合することで、コスト削減と取引遅延の解消が期待される。

また、デジタル資産やステーブルコインに関する規制の進展も追い風だ。

BNPパリバなどの大手銀行がトークン化商品を立ち上げる動きもあり、Swiftがインフラを進化させる内部的な勢いも生まれている。

これは、広範なデジタル資産エコシステムとの連携を模索する大きな一歩だ。

実証実験の課題と金融業界への影響

今回の実証実験は、Swiftが進めるイノベーション戦略の一環だ。

前回の実験がブロックチェーン間のトークン移転に焦点を当てていたのに対し、今回は世界の銀行間通信を支える中核インフラそのものを対象とする点が異なる。

管理された環境下で、通信と決済の単一レイヤーへの統合を目指す。

成功すれば、ブロックチェーン技術が日々数兆ドルを動かすシステムを支える準備ができたことを示す最大級の現実世界における実装となり得る。

これにより、Swiftが単なるメッセージングサービスから、ステーブルコインも視野に入れた価値移転プラットフォームへと変貌する。

しかし、既存システムとの統合コスト、国際的な規制協力、スケーラビリティなど課題は大きい。

金融業界は、世界の決済インフラを再構築し得るこのプロジェクトの行方を注視している。

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