テザー社が動画大手ランブル株を追加取得し、株価が急騰。仮想通貨チップ機能の導入など連携を強化している。
動画共有プラットフォームのランブルは24日、ステーブルコイン発行大手のテザーによる株式追加取得を受け、株価が大幅に上昇した。
米ナスダック市場に上場するランブルの株価は、前日比で14%以上急騰し、一時6.51ドルで取引された。
この市場の動きは、テザーが約575万ドルを投じ、ランブル株を100万株以上買い増したとの報道に反応したものだ。
テザーとの連携強化と新機能
テザーは2024年に行った戦略的な資金提供により、すでにランブルの株式の約48%を保有する主要株主となっている。今回の追加取得は、両社のパートナーシップをさらに深める姿勢を示すものだ。
両社は現在、ランブルのプラットフォーム上での暗号資産(仮想通貨)インフラの統合を進めている。その中心となるのが、アンドロイド版で限定公開された仮想通貨ウォレット「ランブル・ウォレット」だ。
このウォレット機能により、ユーザーはクリエイターに対して直接チップを送ることが可能になる。利用可能な通貨にはビットコイン(BTC)やテザーゴールド(XAUT)、米ドル連動のステーブルコインであるUSDTが含まれる。
クリエイター主導の普及を目指す
ランブルのクリス・パブロフスキーCEOは、この機能によりクリエイターの収入がブロックチェーン上で永続的に保護されると強調した。
また、テザーのパオロ・アルドイノCEOは、ビットコインの取引速度を向上させるライトニングネットワークの統合が間近であると述べている。
月間アクティブユーザー数5100万人を抱えるランブルは、この新機能により仮想通貨の普及加速を目指す構えだ。
また、テザーが新たに発表した米ドル裏付けのステーブルコインUSATについても、年内のサポート拡大が計画されている。
市場は今回の動きを好感しているが、ランブルは第3四半期に純損失を計上しており、課題も残る。規制の不透明さやYouTubeなど競合との争いが続く中、新たな収益モデルの確立が注目される。
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