BitwiseのCIOは、テザーが米国債からの収益で、サウジアラムコを超え世界で最も収益性の高い企業になる可能性を指摘。
資産運用会社ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)は9月29日、大手ステーブルコイン発行元のテザーが、将来的にサウジアラムコを上回り、史上最も収益性の高い企業になる可能性があるとの見解を示した。
ホーガン氏が顧客向けに送付したメモによると、テザーはすでに4億人以上のユーザーを抱え、四半期ごとに3,500万のウォレットを追加している。
同氏は、テザーの資産規模が3兆ドルに達した場合、その利益はサウジアラムコの2024年の予測収益1,200億ドルを超える可能性があると予測している。
驚異的な収益構造と成長
テザーが2025年第2四半期に計上した純利益は、約49億ドルに上る。これにより、2025年上半期の利益は合計で約57億ドルに達した。
この利益のうち、約31億ドルは中核事業である経常的な営業収益によるものだ。残りの約26億ドルは、保有するビットコイン(BTC)や金などの時価評価益に起因する。
特筆すべきは、その驚異的な経営効率だ。
2024年には、200人未満の従業員で年間約130億ドルの利益を生み出した。2024年上半期の利益が約52億ドルだったことからも、前年同期比で約9.6%の成長を遂げており、成長が加速していることがわかる。
収益の原動力と今後の展望
テザーの収益性の主な原動力は、現在の高金利環境下で巨額の利息収入を生み出す米国債の大量保有だ。
これは、純粋な分散型資産であるビットコインとは異なる収益モデルだ。
2025年第1四半期時点でテザーは、1,270億ドルを超える米国債を保有しており、政府系機関以外で最大級の米国債購入者の一つとなっていた。
同社は事業の多角化も積極的に進めている。ホーガン氏のメモでは、AI、通信、データセンターなど複数の分野への進出が指摘された。
さらに、米国ユーザーを対象とした新しい仮想通貨USATも発表している。
市場での動きも活発だ。ブロックチェーンの監視データによると、テザーは2025年第2四半期の最終日に、10億ドル相当のビットコイン(8,888.889 BTC)を追加購入した。
現在の同社の推定企業価値は5,150億ドルに上り、米国市場での事業展開も計画していることから、その成長は続くとみられる。
next