Theta Capital、新ブロックチェーンファンドで2億ドル調達へ

Theta Capitalが、新たなブロックチェーンファンドで2億ドルを調達計画。デジタル資産特化のVCファンドに投資し、25%の純IRRを目指す。

宇城 良 By 宇城 良 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
Theta Capital、新ブロックチェーンファンドで2億ドル調達へ

Key Notes

  • アムステルダム拠点のTheta Capitalが、新ブロックチェーンファンドで2億ドルの資金調達を計画している.
  • デジタル資産に特化した10〜15社のVCファンドに投資し、純内部収益率25%を目標とする.
  • 仮想通貨VC市場が低迷する中、専門VCが持つ優位性を活用し、早期段階のブロックチェーン事業への機会を捉える戦略をとる.

アムステルダムを拠点とする資産運用会社Theta Capital Managementは26日、新たなブロックチェーンファンドで2億ドルを調達する計画が明らかになった

この新ファンドTheta Blockchain Ventures Vは、同社のブロックチェーンシリーズで6番目となる。

デジタル資産分野に特化した10社から15社のベンチャーキャピタル(VC)ファンドに資金を配分し、25%の純内部収益率を目指す。

同社の運用資産は約12億ドルに上り、2017年以降、暗号資産(仮想通貨)に特化したVCファンドに6億ドル以上を投じてきた。

ポートフォリオにはパンテラ・キャピタルやCoinFund、Polychain Capitalなどが含まれる。

市場低迷下での戦略と専門VCの優位性

今回の資金調達は、暗号資産(仮想通貨)VC市場が低迷する中で行われる。

ギャラクシー・デジタルのデータによると、2025年第2四半期に仮想通貨特化型VCファンドに流入した資金はわずか17億ドルだった。

これは過去の強気相場と比較して大幅な減少を示している。

この市場の減速は、マクロ経済の不確実性や現物ETF、デジタル資産財務商品との競合が要因とされる。

また、機関投資家の関心がAI分野へ移行していることも影響している。

こうした厳しい状況にもかかわらず、Theta Capitalは専門VCが仮想通貨分野で持続的な優位性を持つと確信している。

同社のマネージングパートナー兼最高投資責任者であるルード・スメッツ氏は、専門VCが持つ経験と市場での立ち位置が、総合的な企業にとって参入障壁になるとの見解を示した。

過去のファンドが2018年から2024年にかけて32.7%の純IRRを達成した実績が、その自信を裏付けている。

ファンド・オブ・ファンズ戦略の継続

Theta Capitalは2018年にデジタル資産分野へ軸足を移して以来、仮想通貨に特化したファンド・オブ・ファンズとして主導的な地位を確立してきた。

同社は、業界関係者が集うLegends4Legendsカンファレンスを主催するなど、独自のネットワークを構築している。

同社はWeb3分野の資金調達が断片的であると指摘し、専門マネージャーこそがその複雑性を乗り越える専門知識を持つと主張する。

新ファンドも、ブロックチェーンのスタートアップに直接関わるのではなく、トップクラスの仮想通貨VCとの関係構築を重視する戦略を継続する。

これにより、確立されたネットワークと業界知識を活用し、困難な市場環境下でも優れたリターンを追求する構えだ。

現在の市場では、規制の不確実性からプライベートなトークンセールは緩やかな成長にとどまり、機関投資家からの資金流入も米国中心の状況が続いている。

Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。

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宇城 良

仮想通貨ライター。取引歴5年、ブロックチェーン技術の解説から市場分析、DeFi・NFTの最新動向までカバーします。複雑なトピックを分かりやすく解説し、皆様の的確な意思決定をサポートします。

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