欧州銀行大手ユニクレジットは、プロ顧客向けにブラックロックのビットコインETFと連動した元本100%保証の仕組投資証券を提供する。
ヨーロッパの銀行大手ユニクレジットは1日、ブラックロックのビットコインETF(上場投資信託)に連動する新たな仕組商品を提供することが分かった。
この商品は満期時に100%の元本が保証されるもので、イタリアのプロ顧客を対象としている。
伝統的な金融とデジタル資産の橋渡しを目指す動きであり、顧客はウォレットや秘密鍵の管理といった複雑な手続きを避けられる。
元本保証で高まる需要に対応
この商品は、5年満期のドル建て仕組投資証券として提供され、ブラックロックのiShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)のパフォーマンスに連動する仕組みだ。
最大の特徴は、IBITの価格動向にかかわらず、満期時に投資元本が全額保証される点にある。これにより、価格変動の激しい暗号資産(仮想通貨)への参加に慎重な投資家も引きつける狙いだ。
リターンは、期間中におけるIBITの上昇分の85%が上限となる。IBITの規制された枠組みを活用することで、顧客は仮想通貨を直接保有するリスクを回避できる。
欧州の規制環境の変化
この商品の導入背景には、機関投資家からの規制されたビットコイン関連商品への強い需要がある。
IBITはすでに730億ドル以上の資産を集めており、その人気は高い。
ヨーロッパでは現物のビットコインETFが承認されていないため、銀行は代替案として仕組商品に注目している。
仕組商品は、仮想通貨に特化した厳格な規制の対象外となることが多い。
ユニクレジットはこの商品を通じて、投資家保護と革新性を両立させ、ヨーロッパの仮想通貨関連金融ソリューションにおける主導的地位を確立しようとしている。
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