ユニスワップ・ラボは、クロスチェーンの流動性分断を緩和する新コントラクト「The Compact v1」をリリースした。
分散型取引所(DEX)開発大手のユニスワップ・ラボは23日、クロスチェーンにおける流動性の分断を緩和するための新コントラクトThe Compact v1をリリースした。
流動性分断に取り組む新基準 The Compact v1
The Compact v1は、所有者のいないERC-6909コントラクトで、リソースロックという仕組みを管理する。
これは、トークンを預け入れることで信頼性の高いコミットメント(約束)を生成し、異なるブロックチェーン間でアクションを実行するために利用できる。
このコントラクトには所有者アドレスが存在しないため、中央集権的な管理や障害点が排除されており、分散化の理念に沿った設計となっている。
このメカニズムは、分散型金融(DeFi)における大きな課題に対処するものだ。
ERC-6909標準を技術基盤とすることで、従来のトークン規格よりも効率的なリソース管理が可能になる。
The Compact v1は、マルチチェーン化が進むエコシステムにおいて、重要なインフラ開発と位置づけられる。
マルチチェーン時代の課題と業界の反応
この開発の背景には、ブロックチェーンネットワークの急速な拡大がある。
イーサリアム(ETH)やポリゴン(POL)、その他のレイヤー1およびレイヤー2ソリューションに流動性が分散し、深刻なクロスチェーンの分断が発生している。
これにより、利用者は複数のブリッジやインターフェースを使い分ける必要があり、非効率性が指摘されていた。
The Compact v1は、こうした市場の課題に応える形で登場した。
クロスチェーン流動性インフラを提供するLI.FIや、スマートアカウントプロトコルのRhinestoneといったプロジェクトが既にこのシステムを統合しており、その価値が市場に認識され始めている。
リソースロックは再利用が可能なため、資本効率を高める効果も期待される。
この動きは、ユニスワップ・ラボが中核事業であるDEXの機能を超え、DeFiの基盤インフラへと事業領域を拡大していることを示している。
The Compact v1は、クロスチェーン取引の信頼性を向上させる安全なブリッジングメカニズムなど、新たなユースケースを生み出す可能性がある。
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