米国政府が保有するビットコインの実際の量が情報公開法の開示で判明。従来の推定値を85%下回る28,988BTCであることが判明した。
米国連邦保安官局は16日、情報公開法に基づく開示で、政府が保有するビットコイン(BTC)が2万8988 BTCであることを明らかにした。
これは現在の市場価値で約34億ドルに相当する。この数字は、これまでBitcoin Treasuriesなどの調査機関によって広く報じられてきた約20万BTCという推定値を85%も下回るものだ。
政府が保有するビットコインは、司法省のデジタル資産没収プログラムを通じて、主に犯罪行為から没収された資産である。
Full list of BTC holdings. Request was dated March 24, response is from today. DM me your email, I'll send you the files.
Total BTC holdings are 28,988.35643016, or approx. $3.44 Billion at current price.
US Marshal Service liquidates assets in public auctions, so unless they… pic.twitter.com/e4Z5rHbHtG
— L0la L33tz (@L0laL33tz) July 16, 2025
推定値との乖離と政策転換の背景
これまで市場関係者の間では、政府は押収した資産を静的に保有しているとの見方が一般的だった。今回明らかになった保有量と従来の推定値との大きな乖離は、政府が過去に押収したビットコインを非公開で売却してきたことが原因とみられる。
トランプ大統領は2025年3月、押収した暗号資産(仮想通貨)の定例的な競売を停止し、国の準備資産として保有する戦略的ビットコイン準備金の設立を命じる大統領令に署名している。
しかし、この政策判断は、今回判明した実際の保有量よりもはるかに多い、古いデータに基づいて行われた可能性がある。今回の情報公開法による開示は、政府の仮想通貨保有に関する初めての公式な監査証跡となり、これまでの報告の不正確さを浮き彫りにした。
市場への影響と今後の課題
政府が2万8988 BTCを即時売却せず保有し続けるという事実は、長期的な仮想通貨戦略の存在を示唆している。これはビットコイン価格の安定や、機関投資家による採用を促進する一因となる可能性がある。特に、米国で承認されたビットコインETFの動向にも影響を及ぼしている。
一方で、今回の件は政府が保有する仮想通貨の追跡における監督体制の不備を露呈させた。34億ドル規模のデジタル資産管理における説明責任のあり方について、今後議論を呼ぶことになりそうだ。
保有量が下方修正されたとはいえ、米国は依然として世界最大のビットコイン保有国であることに変わりはない。この事態を受け、他国も自国の仮想通貨準備金の評価を見直す動きに出る可能性がある。
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