米ビットコインETFは、16日から6月20日までの週に10億2,000万ドルの純流入を記録した。ブラックロックのIBITが市場を牽引している。
米国の現物ビットコインETF(上場投資信託)は、6月16日から20日にかけて合計で10億2,000万ドルの純流入を記録した。
ビットコイン価格は同期間、中東情勢の緊張が高まる中で、1BTC=10万ドル前半で低迷が続いていた。
一方で現物イーサリアムETFは、同期間に4,024万ドルの純流入を記録し、これで6週連続の純流入となった。
ブラックロック主導で資金流入が加速
今回の純流入を主導したのは、資産運用大手ブラックロックが提供するビットコインETF、iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)だ。
同ファンドは単体で12億3,000万ドルの純流入を記録し、ETF全体の純流入額を上回った。これは他のETFで資金流出があったことを示している。
他の主要なファンドも好調で、フィデリティ社のFBTCとビットワイズ社のBITBは18日、それぞれ1億440万ドル、1,130万ドルの純流入を記録した。
一方で、ARKインベストやウィズダムツリーなどの一部ETFでは同日に資金流入が見られず、資本が特定のファンドに集中する傾向がうかがえる。
地政学的リスク下での資金流入
この力強い資金流入の背景には、複数の要因が存在する。一つは、イスラエルとイラン間の紛争に起因する市場の初期的なパニックが和らぎ、地政学的な状況が安定したことだ。
アナリストは、2022年のロシア・ウクライナ戦争や2023年のイスラエル・パレスチナ紛争など過去の紛争と同様に、市場がリスクオフから安定へというパターンをたどったと指摘している。
また、ブラックロックのような大手機関投資家が継続的に資本を投じていることは、ビットコインの長期的な価値に対する根強い信頼感の表れといえる。
先物市場における強気なセンチメントとボラティリティの低下も、価格の安定に寄与した。
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