ETH創業ヴィタリック氏、プライバシーアプリ2社に1.2億円寄付

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イーサリアムのヴィタリック・ブテリン共同創設者は、プライバシー保護アプリのSessionとSimpleXに合計約1億1900万円相当のETHを寄付。

イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は26日、プライバシー保護に特化したメッセージングアプリ2社に対し、多額の寄付を行ったと明かした。

ブテリン氏は、分散型メッセージングアプリの「Session」と「SimpleX Chat」に対し、それぞれ128ETHを寄付した。合計256ETHとなり、送金時のレートで約76万5000ドルに相当する。

同氏はX(旧Twitter)での投稿を通じ、暗号化されたメッセージングは「デジタルプライバシーの保護に不可欠だ」と述べている。

メタデータ保護の重要性

今回の寄付は、単なる資金援助にとどまらず、デジタル通信におけるプライバシーの定義を拡張しようとする同氏の意思を反映している。

ブテリン氏は、既存のエンドツーエンド暗号化だけでは不十分であり、通信のメタデータを保護する必要性を強調した。

ブテリン氏が特に懸念しているのは、「誰が、いつ、誰と通信したか」というメタデータの漏洩だ。同氏は、次なるプライバシーの最前線として「許可不要のアカウント作成」と「メタデータのプライバシー」を挙げている。

従来の暗号化技術ではメッセージの内容は守れても、通信パターン自体は第三者に把握されるリスクが残るためだ。

支援を受けたSessionは、中央サーバーではなくサービスノードの分散ネットワークを利用して通信を行う仕組みを採用している。

一方、SimpleXは一方向のメッセージキューを使用し、グローバルな識別子を必要としない設計が特徴だ。これにより、電話番号などの個人情報と紐づかないアカウント作成が可能となり、ブテリン氏が提唱するプライバシー基準を満たしている。

一貫したプライバシー擁護の姿勢

今回の寄付は、ブテリン氏による長年のプライバシー重視の活動の一環だ。

同氏は以前にも、プライバシープロトコルのRailgunに対し1009 ETHを送金しており、デジタル空間での匿名性確保を支援してきた。

また、電話番号などの中央集権的な識別子への依存を減らすシステムの開発を推奨しており、今回の支援先もその理念に合致する。

ブテリン氏は、多くのアプリがメッセージ内容の暗号化に注力する一方で、通信パターンの保護が疎かになっている現状を指摘した。

今回の寄付は、メタデータの脆弱性に対処しようとする分散型プロジェクトへの強い支持を示している。

コミュニティからは、技術的な課題に取り組みながら厳格なプライバシー基準を維持しようとするこれらの仮想通貨プロジェクトへの注目が集まっている。

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