ブテリン氏がイーサリアムの分散化と自己主権強化を最優先課題に掲げ、中央集権依存からの脱却を宣言。L1・L2の柔軟性向上も視野に。
イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は1月30日、2026年をネットワークの「自己主権」と「トラストレス(非信頼)」性を取り戻す重要な年と位置づけ、戦略的な方針転換を示した。
ブテリン氏は過去10年間、イーサリアムが主流普及を優先するあまり、分散化を犠牲にして「後退した」と認め、中央集権的インフラへの依存から脱却する必要性を強調した。
イーサリアム財団もこの方針を確認しており、今後は分散化と自己主権の強化に向けた取り組みが本格化する。
ロールアップ中心からの脱却とL1の進化
ブテリン氏は、従来の「ロールアップ中心ロードマップ」はもはや適用できないと指摘した。
理由は、レイヤー2ソリューションの分散化「ステージ2」の進捗が遅れており、多くのL2実装が依然として中央集権的なシーケンサーやデータ可用性レイヤーに依存しているためだ。
一方で、レイヤー1のスケーリング技術は急速に進展している。
2026年には手数料の低下やガスリミットの大幅引き上げが見込まれ、レイヤー1自体でより多くのトランザクション処理が可能になる見通しだ。
ブテリン氏は、レイヤー2を信頼性や統合度に応じてユーザーが選択できる「スペクトル」として捉えるべきだと述べた。このアプローチはWeb3の発展にも関連する。
技術ロードマップには、ゼロ知識イーサリアム仮想マシン(zkEVM)の実装や、ローカルノード運用を簡素化する技術も含まれている。
中央集権的な依存からの脱却
今回の方針転換の背景には、InfuraやAlchemyなど中央集権的インフラへの依存度の高さがある。
ブテリン氏は、ユーザーが「自らチェーンを検証せず、第三者のデータ提供者を信頼する状況」を強いられていることを問題視し、これはイーサリアムの基本理念と矛盾すると説明した。
具体例としてHeliosなどの技術により、一般ユーザーが再びフルノード検証できる環境を目指す。これにより、特定企業によるデータ支配や検閲への耐性が強化される。
価格は最高値から約40%下落しているが、TVL(預かり資産総額)は720億ドルを超え、機関投資家の採用も継続している。
ブテリン氏は、この変革には時間がかかるものの、イーサリアムをより偉大なエコシステムへ進化させる決意を示し、ビットコイン(BTC)とは異なるアプローチで真の分散化を目指す姿勢を鮮明にした。
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