ヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムのステーキングに分散型バリデータ技術(DVT)を直接統合する提案を発表。
イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は21日、ネットワークの分散化と安全性を強化するため、ステーキングプロトコルに分散型バリデータ技術(DVT)を直接統合する新たな提案を公表した。
単一IDで複数キーを登録
ブテリン氏が公開した提案は、現在外部ツールとして提供されているDVTの機能を、イーサリアムのコンセンサスレイヤーに直接組み込むものだ。
この「ネイティブDVT」の枠組みでは、バリデータは複数の独立したキーを登録し、それらをまとめて単一のバリデータIDとしてブロックチェーン上で運用できるようになる。
このモデルでは、ブロックの提案や承認といった重要な操作において、グループ内の参加者から一定数以上の署名が集まる「閾値署名」を用いることで有効性が確認される。
ブテリン氏は「DVTはステーカーが単一のノードに完全に依存せずにネットワークに参加する方法だ」と述べ、2/3以上のノードが正常であれば稼働し続ける点を強調した。
提案によると、最低ステーク量の倍数を持つ参加者は最大16個の署名キーを指定でき、標準的なノードのクラスターを単一のバリデータとして管理可能になる。
従来のDVT実装は複雑な設定や外部インフラを必要としたが、これをプロトコルに埋め込むことで複雑さを解消し、構成証明の速度を維持しつつブロック生成への影響を最小限に抑える設計となっている。
中央集権化リスクへの対策
今回の提案は、イーサリアムのステーキングエコシステムにおける中央集権化への懸念に対処することを主な目的としている。
現在、運用の複雑さや単一障害点のリスクから、多くの機関投資家や保守的な市場参加者が自社運用(セルフステーキング)を避け、大手プロバイダーに依存している現状がある。
2026年1月中旬時点で、イーサリアムの総供給量の約30%がステークされており、特定の事業者に管理が集中する傾向が強まっている。
例えば、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは183万ETH以上を保有し、その価値は約59億ドルに達するなど、企業による保有が拡大している。
すでにクラーケンなどの大手取引所は、SSVネットワークを利用してDVTを導入しているが、ネイティブ統合はこうした技術への障壁をさらに下げることになる。
ブテリン氏は、ネイティブDVTが大規模な保有者による自律的なインフラ運用を促し、ネットワーク全体の回復力と検閲耐性を高めると期待を寄せている。
この提案は現在初期の概念段階にあり、実装に向けては広範なコミュニティでの議論や正式な改善提案(EIP)のプロセスが必要となる。
また、悪意ある行動に対するペナルティであるスラッシングの仕組みとも互換性を維持しており、セキュリティモデルを損なうことなく利便性を向上させる方針だ。
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