2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。
暗号資産(仮想通貨)Zcash(ZEC)の開発を主導するエレクトリック・コイン・カンパニー(ECC)のジョシュ・スワイハートCEOは8日、全従業員と共に同社を辞任し、新会社を設立すると明かした。
この動きは仮想通貨の開発現場において前例のない事態だ。2023年後半からCEOを務めるスワイハート氏は、今回の決断を実質的な解雇によるものだと説明している。
同氏の声明によると、親組織である非営利団体Bootstrapの理事会によって労働条件が著しく変更され、辞任以外に合理的な選択肢がなくなったという。
ECCは2016年の発足以来、Zcashの主要な開発組織として機能してきた。その使命は「検閲耐性のあるプライベートマネー」の構築にある。
しかし、スワイハート氏はBootstrap理事会の過半数がこの核心的な使命から大きく逸脱したと主張している。
今回の対立の背景には、プロジェクトの運営方針に関する根本的な不一致がある。ECC側は、Bootstrap理事会の決定がECCの自律性を制限し、ロードマップの実行を妨げたと批判している。
スワイハート氏は、ザキ・マニアン氏ら特定の理事メンバーを名指しし、彼らがガバナンス変更の責任を負うとした。
これまでの構造は権力を分散させる目的で設計されていたが、それが逆に永続的な緊張を生んでいたようだ。
投資家は、これから伸びる仮想通貨プロジェクトであっても、ガバナンスの重要性を無視できないことを再認識している。
重要な点は、開発チームがZcashを見捨てたわけではないということだ。スワイハート氏は「我々は新会社を設立するが、同じチームであり、同じ使命を持っている」と強調している。
Zcashのプロトコルはオープンソースであり、今回の組織変更による技術的な影響は受けない。匿名性を保つシールドトランザクションなども通常通り機能し続ける。
この発表を受け、市場は即座に反応した。
Zcashの価格は発表から24時間以内に7%から16%ほど下落したとの報告があり、投資家の不安を反映している。リーダーシップの安定性や開発の継続性が懸念された形だ。
Zcashの創設者であるズーコ・ウィルコックス氏はBootstrap側の立場を擁護しつつ、ネットワークは影響を受けずに稼働し続けると明言した。
今回の騒動は、分散型エコシステムにおける中央集権的なガバナンスの課題を浮き彫りにした。Monero(XMR)などの競合が台頭する中、ガバナンスの透明性が改めて問われている。
投資家は、Zcashと他のプライバシー系通貨を含めた仮想通貨の比較・検討しながら、リスクと将来性を慎重に見極める必要があるだろう。
辞任したチームは、プライバシー保護技術に特化した独立企業を立ち上げる計画だ。新会社の名称や法的な構造は未定だが、Zcashのビジョンを守るための再編であるとしている。
市場全体が調整局面にあることも価格下落の一因だが、組織の混乱がZECの下落幅を拡大させたことは否定できない。
コミュニティでは、将来の分裂を防ぐための明確な原則作りについて議論が活発化している。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。