ジーキャッシュは28日、セキュリティ強化を目的とした「Ironwood」アップグレードを実施した。
暗号資産(仮想通貨)のジーキャッシュ(ZEC)は28日、Ironwood(アイアンウッド)ネットワークアップグレードをメインネットで有効化した。
新たなプライバシープールへの移行
今回のアップグレードは、協定世界時(UTC)の13時頃、ブロック高3,428,143で実行された。Zcash Foundation(ジーキャッシュ財団)が提供するノードソフトウェアの最新版でサポートされている。
この更新の目玉は、新しいシールド(プライバシー)プールの導入だ。プライバシー保護の強化は、ビットコインなどの透明性の高いパブリックチェーンとは異なる独自のアプローチである。
これまで利用されていたOrchard(オーチャード)プールは、新規の入金や内部送金が完全に停止される。今後は新しいプールが、プライバシーを保護した取引の主要な基盤として機能する。
この変更は、5月にOrchardプールで発見された深刻なバグに対する恒久的な対策として実施された。
当時のバグは、プール内部で資金を偽造できるリスクを抱えていた。6月に緊急パッチが適用されたが、今回はより根本的な解決を図っている。
古いプールから新しいプールへの資金移動には、ターンスタイルと呼ばれる監視の仕組みが用いられる。
この仕組みは、移動する資金の総量を厳格に管理するものだ。不正に作られた資金がネットワーク全体に流出するのを防ぐ役割を果たす。ジーキャッシュの供給量の整合性は、この厳格な境界線によって守られている。
ユーザーへの影響と将来への備え
一般の保有者は、手動で複雑なオンチェーン操作を行う必要はない。対応するウォレットを利用していれば、画面の案内に従って新しいプールへ資金を移行できる。
これまで使っていたアドレスも、そのまま継続して利用可能だ。このようなスムーズな移行は、イーサリアムの大型アップデート時にも見られた手法である。
セキュリティの面でも、大きな進歩が見られる。新しいシステムには、数学的な証明を用いた形式的検証が導入された。第三者機関による監査も受けており、プログラムの欠陥を根本から排除する設計となっている。
さらに、将来の技術的脅威を見据えた「量子回復力」という機能も追加された。これは、将来的に量子コンピューターが実用化され、暗号技術が破られる事態を想定したものだ。
万が一秘密鍵が危険にさらされても、利用者が資金を回復できる経路が用意されている。
開発チームは、この機能を備えた仮想通貨ネットワークは世界初だと説明している。利用者に即座のアドレス変更を強いることなく、長期的な安全性を確保する狙いがある。
ジーキャッシュは今回の更新を経て、より強固なプライバシー保護と信頼性の回復を目指す。市場全体がアルトコインシーズンへの期待を高める中、この技術的進歩は大きな注目を集めている。
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