コインベースのL2「Base」は、トークン発行サービスZora活況により、1日のトークン発行数でソラナを上回った。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが開発するイーサリアム(ETH)のレイヤー2ネットワークBaseは29日、1日のトークン発行数でソラナ(SOL)を上回った。
この背景には、Base上で稼働するトークン発行プラットフォームZoraの活況がある。
Zoraは、オンチェーンのコンテンツプロトコルであり、ユーザーはソーシャルメディアの投稿などのデジタルコンテンツを、取引可能な資産としてトークン化できる。
この日、Zoraでは過去最多となる51,575トークンが発行され、ソラナ基盤のPump.fun(4,173トークン)とLetsBonk(22,554トークン)の合計を大きく超える数字だ。
ソラナ以外のブロックチェーンが1日のトークン生成数で首位に立つのは、2023年以来初めてのことである。
Baseアプリ統合が急成長の起爆剤に
今回の活動急増の背景には、ZoraとFarcasterのインフラを統合したBaseアプリの存在がある。
この統合により、ユーザーはプラットフォーム内で直接、コンテンツに連動したトークンの作成や取引、収益化が可能になった。
これは、親チェーンであるイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決しつつ、新たなユースケースを創出する動きといえる。
その結果、Zoraの1日あたりのトークン発行数は、アプリのローンチ以前は5,000未満であったが、ローンチ後は10,000を超える水準へと倍増した。
Zoraの独自モデルは、すべてのソーシャル投稿をトークン化する点に特徴がある。
この仕組みは、トークン取引量の一部をコンテンツ制作者や紹介者に還元することで、投機的な活動を促進する要因ともなっている。
市場規模は依然として乖離
Baseアプリとの統合を受け、ネイティブトークンであるZORAは60%以上高騰し、価格は0.0125ドルから0.021ドルへと上昇した。
一方で、Base上のトークンの時価総額が合計で4億2,200万ドルであるのに対し、ソラナのトークンは59億ドルと、依然として市場を支配している。
Zoraの活発な日次活動と、実際の価値定着との間には乖離が見られる。
Zoraでは一部のトークンに取引高が集中しており、投機が本質的なコンテンツ収益化を上回る現状から、持続可能性への懸念も指摘されている。
BaseがWeb3ソーシャルエコシステムで存在感を増す一方、その長期的な有用性については疑問が残る。
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