アニモカ・ブランズ、逆合併でナスダック上場へ。企業価値10億ドル規模、Web3事業のグローバル展開を加速。
暗号資産(仮想通貨)分野のベンチャーキャピタル大手であるアニモカ・ブランズは3日、逆合併を通じて米ナスダック市場への上場を計画していると明かした。
同社はシンガポールのフィンテック企業カレンク・グループとの間で、法的拘束力のない基本合意書を締結した。企業価値は約10億ドルを見込んでいる。
計画では、カレンク・グループがアニモカ・ブランズの全発行済み株式を取得する。合併後の新会社は「アニモカ・ブランズ」として運営され、アニモカの株主が約95%を保有する見通しだ。
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— Animoca Brands (@animocabrands) November 3, 2025
ナスダック上場で目指す米国市場への本格進出
香港に拠点を置くアニモカ・ブランズにとって、この上場は米国資本市場への直接アクセスを実現するための重要な戦略だ。取引は2026年に完了する予定である。
業界アナリストはこの動きを、機関投資家からの信頼性を求めるデジタル資産企業の成熟を示すものと分析している。ナスダック上場は、資金調達能力の強化や投資家層の拡大につながる。
また、アニモカ・ブランズのブロックチェーンエコシステムと、カレンク・グループが持つAIを活用した金融技術の相乗効果も期待されている。これにより、トークン化された資産やDeFiの普及が加速する可能性がある。
巨大ポートフォリオとフィンテック基盤の融合
アニモカ・ブランズは、ブロックチェーンゲームやWeb3インフラなど、628社に及ぶ広範なポートフォリオを持つ。一方、カレンク・グループは2024年だけで54億ドル以上の取引を処理した実績がある。
両社の強みを組み合わせることで、特に国境を越えた決済分野での市場浸透が期待される。アニモカ・ブランズの共同創設者であるヤット・シウ氏は、この合併が新たな資産クラスを導入するものになると述べた。
従来のIPOではなく逆合併を選択した背景には、規制環境が不透明な中で迅速に公開市場へアクセスしたいという仮想通貨業界特有の事情がある。この上場は、デジタル資産運用業界全体の制度化に向けた大きな一歩と見なされている。
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