キャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストは、株価が史上最高値を更新したコインベースの株式1250万ドル相当を売却した。
米資産運用会社アーク・インベストは27日、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの株式11万2729株を売却した。
売却総額は約4228万ドルに達し、数週間にわたって継続してきたコインベース株の戦略的調整の一環となる。
この売却は、テスラやSoFiテクノロジーズなどへの購入を拡大する一方で行われ、動的な投資戦略を反映している。
ポートフォリオ再配分の狙いと市場動向
今回の売却は、コインベース株が好調な推移を見せる中での利益確定の側面が強い。
アーク・インベストは過去数週間にわたってコインベース株の段階的な売却を続けており、株価上昇局面での戦略的なポジション調整を進めてきた。
同社は2025年6月上旬にもサークル・インターネット・グループ株を大量購入する。
一方で、コインベース株を4100万ドル分売却するなど、仮想通貨のおすすめ銘柄への購入配分を積極的に見直している。
これは単なる利益確定ではなく、デジタル資産エコシステム内での投資先多様化を図る動きと分析される。
アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOが行う購入手法は、破壊的イノベーション企業の長期的成長に焦点を当てながらも、市場状況に応じた機動的なポートフォリオ調整を行うことで知られている。
今回のコインベース株売却も、そうした一貫した戦略の表れといえる。
長期保有継続と将来展望
売却後もアーク・インベストは245万株以上のコインベース株を保有しており、総額は約6億7200万ドルに達する。
これは同社の全ETF合計における重要な構成銘柄の地位を維持していることを示している。
特に主力ファンドのARKKでは、コインベースが依然として主要な保有銘柄の一つとして位置づけられている。
ウッド氏は以前から、デジタル経済の発展におけるコインベースの重要性を強調しており、今回の部分的な売却は短期的な調整に過ぎないとの見方が強い。
同社の購入戦略は、株価急騰時に一部ポジションを縮小し、得られた資金をビットコイン(BTC)などの革新的分野に再配分することを基本としている。
電気自動車、AI、そして新しい仮想通貨関連技術など、複数の成長分野への分散購入を通じて、長期的なリターン最大化を目指している。
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