米国の現物ビットコインETFから1日で5億3640万ドルの純流出が記録。マクロ経済の圧力と市場の不確実性が背景にある。
米国の現物ビットコインETFは16日、1日で合計5億3640万ドルの純流出を記録した。
これは2025年8月1日以来、単日として最大の流出額となる。
SoSoValueのデータによると、この期間中に12本のビットコインETFのうち8本で資金流出が報告された。
流出額が最も大きかったのはアーク・インベストと21シェアーズが運用するARKBファンドで、2億7,515万ドル(約412億7,000万円)の引き出しがあった。
市場心理の悪化が流出を加速
米国の新たな関税政策を含むマクロ経済の圧力や、暗号資産(仮想通貨)市場全体での広範なレバレッジポジションの清算など、複数の要因が重なったことに起因する。
この資金流出は、前の週末に始まった歴史的な仮想通貨の清算の波と同時に発生した。
この清算では150万人以上のトレーダーに影響が及び、200億ドルを超えるレバレッジポジションが清算されたと報告されている。
この清算の波は、ドナルド・トランプ米大統領が中国からの輸入品に100%の関税を課すと発表した後に始まったとされている。
同時に、イーサリアムETFも5690万ドルの純流出を記録し、過去2取引日のプラス傾向を覆した。
ビットコインETFにとっては2日連続の流出であり、2024年1月の承認以来、概ねプラスの資金流入が続いていた期間からの転換点となった。
ビットコイン価格への影響と今後の見通し
ビットコイン(BTC)価格は11万ドルを割り込み、10万8420ドルに達した。
これは過去24時間で2.4%、過去1週間で10%、過去1カ月で7%の下落を意味し、史上最高値の12万6080ドルから14%低い水準にある。
下落局面で取引活動は活発化し、ビットコインの24時間取引高は25%増の831億ドルに達した。
ビットコイン先物の取引高は40%急増して1276億ドルとなったが、建玉は728億ドルとほぼ横ばいであった。
アナリストは、10万8000ドルの支持線が維持できなければ、ビットコイン今後は10万ドルに向けて下落する可能性があると警告している。
連続した資金流出は、一部の機関投資家がエクスポージャーを減らすか利益を確定していることを示しており、特に市場が不透明な時期には短期的な売り圧力になる可能性がある。
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