Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。
資産運用会社ビットワイズのジェフ・パーク アルファ部門責任者は13日、ビットコイン(BTC)価格の上昇が初期保有者によるオプション売りによって抑制されているとの分析を公表した。
ビットコイン市場は現在、狭い価格レンジでの推移が続き、ボラティリティが低下している。
パーク氏の分析によれば、これは長期保有者がコールオプションを売り続けていることが主な要因だという。
こうした構造的な売り供給が、ETFを通じた現物需要を上回っていると指摘されている。
市場では、ブラックロックのETF「IBIT」や機関投資家が現物やコールオプションを購入しているが、初期のビットコイン保有者によるポジションの現金化による売り圧力を打ち消すには不十分だという。
この結果、市場全体のボラティリティは大幅に低下しており、インプライド・ボラティリティは11月後半の約63%から約44%まで低下、価格変動は抑えられている。
分析時点ではビットコインは8万9000ドルを下回り、8万8794ドル付近で取引されていた。
また、ブラックロックのIBITとデリビットのオプション市場には価格乖離が見られる。
IBITのコールオプションはプレミアムが付いている一方で、ビットコイン自体のコールオプションは割安な状況が続いており、市場参加者の需給バランスの歪みを示している。
パーク氏は、初期のビットコイン保有者が自らの保有資産を担保にコールオプションを売る行為が、価格の抑制につながっていると指摘する。
この動きはディーラーの帳簿に新たなリスクを生じさせ、結果として価格が一定範囲に留まる圧力を強めているという。
オプション市場の規模は急拡大しており、デリビットの建玉は2022年比で約5倍に増加。
その多くはコールオプションに偏っており、市場の主要なフローがボラティリティの買い手ではなく売り手から来ていることを示している。
さらに、規制変更によりビットコイン自体をデリバティブの担保にできるようになったことも、市場構造に影響を与えている。
オンチェーンでのオプション活動が増加することで、ボラティリティを抑える供給が増える可能性もあるという。
パーク氏は、コール売りの供給が減るか、ETFによる需要が大幅に増えない限り、低ボラティリティ状態は続くと予測。
一方で、建玉や流動性が限られる現状では、何らかのきっかけで価格が大きく動く可能性もあると警告している。
市場構造の変化が起きるまでは、トレーダーにとって難しい相場が続く見通しだ。
短期的にはビットコイン下落リスクへの警戒も必要だが、長期的な視点での投資を考えれば、現在の静かな相場は好機とも言えるだろう。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。