ブラックロックがiSharesイーサリアムETFへのステーキング機能追加をSECに申請。投資家に新たな報酬獲得の道を開く。
資産運用大手ブラックロックは17日、同社のiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)にステーキング機能を追加するため、SECに修正申請を行った。
承認されれば、ETFが保有するイーサリアム(ETH)をステーキングに活用し、投資家に追加収益を提供できるようになる。
イーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)システムを通じて、年間約3〜5%の利回りが期待されている。
規制環境の変化が後押し
今回の申請は、SECの規制姿勢が大きく変化したことを反映している。
2024年5月にイーサリアムのETFが初承認された際、ブラックロックを含む主要発行会社はステーキング機能を削除せざるを得なかった。
当時のSECは、ステーキングサービスが証券取引に該当する可能性を懸念していた。
しかし、2025年に入ってからの規制緩和により状況は一変。
現在のSECは、ETFを通じて提供されるステーキングサービスに対してより柔軟な姿勢を示している。
業界関係者は、この変化をETF業界の成熟と規制当局の理解深化の表れと評価している。
フランクリン・テンプルトンやグレイスケールなど他の大手資産運用会社も、同様のステーキング機能導入を提案している。
SECはこれらの提案について審査期限を延期し、慎重な検討を続けている。
機関投資家需要の拡大期待
ステーキング機能の追加は、機関投資家にとって大きな魅力となる見込みだ。
従来のETFでは価格上昇のみが収益源だったが、ステーキング報酬により定期的な利回りを得ることが可能になる。
ブラックロックは申請書類で、信頼できる第三者プロバイダーを通じてイーサリアムをステーキング。
得られた報酬をファンドの収益として分配する方針を示している。
同社の過去のSEC申請承認実績は500件以上に上り、却下されたのは1件のみという高い承認率を誇る。
現在、ETHAは72億ドルを超える資産を運用している。
ステーキング機能が承認されれば、競合するアルトコインETFとの差別化が図られ、さらなる資金流入が期待される。
業界アナリストは、この動きが新しい暗号資産(仮想通貨)市場における新たな標準となる可能性を指摘している。
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