イーサリアムのブテリン共同創設者は、ポリゴンとその創設者によるエコシステムへの貢献を称賛。技術的進歩と人道的活動を評価した。
イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は21日、ポリゴン(POL)とその創設者であるサンディープ・ナイルワル氏によるイーサリアムエコシステムへの多大な貢献を称賛した。
ブテリン氏はXを通じて、ポリゴンがゼロ知識証明技術への早期の取り組みを通じて「イーサリアムのスケーリングにおいて素晴らしい仕事をした」と述べた。
同氏は、ジョルディ・ベイリナ氏が率いるZK-EVMプロジェクトや、イーサリアムのレイヤー2エコシステムを強化するAggLayerなどのインフラの進歩を評価している。
ブテリン氏は、「ポリゴンはイーサリアムのスケーリングにおいて信じられないほどの仕事をしてきた。ZK-EVMやAggLayerのようなインフラプロジェクトへの早期の取り組みは、イーサリアムの未来への真のコミットメントを示している」と語った。
I really appreciate both @sandeepnailwal's personal contributions and @0xPolygon's immensely valuable role in the ethereum ecosystem.
To recap:
* Polygon hosts @Polymarket, which is probably the single most successful example of a "not just boring finance" app that has actually…
— vitalik.eth (@VitalikButerin) October 21, 2025
技術的貢献と人道的活動への賞賛
技術的な貢献に加え、ブテリン氏はナイルワル氏の人道的な取り組みも称賛した。特に、インドでの生物医学研究を支援したCryptoReliefの設立における同氏の役割に言及している。
ブテリン氏は、ナイルワル氏が「オープンソースのパンデミック対策プロジェクトであるBalviを支援するため、1億9000万ドル相当の柴犬コイン(SHIB)を自主的に返還した」ことを特筆した。
「サンディープは、暗号資産(仮想通貨)が利益だけでなく人類に貢献できることを示した。SHIB資金を返還し、オープンサイエンスを支援したことは、誠実さとビジョンを持った行動だった」とブテリン氏は付け加えた。
コミュニティ内の緊張と将来への提言
今回の賞賛は、イーサリアムコミュニティに対する不満をXで表明したナイルワル氏のコメントに応える形で行われた。
ポリゴン財団のCEOも務めるナイルワル氏は、「イーサリアムのリーダーたちが仮想通貨ポリゴンのレイヤー2としての地位を軽視している」と公に批判し、イーサリアムへの忠誠心に疑問を抱いていると述べていた。
この背景には、イーサリアムエコシステム内でのガバナンス構造やレイヤー2ソリューションの評価をめぐる緊張の高まりがある。
イーサリアムのコア開発者であるピーター・シラージ氏が以前、イーサリアム財団の過度な中央集権化を非難するなど、ガバナンスに関する懸念が浮上していた。
ブテリン氏は称賛の中で、ポリゴンが「イーサリアムのレイヤー2が提供すべき完全なセキュリティ保証を得るための証明システムを欠いている」と技術的な見解も示した。
しかし同氏は、技術が非常に良くなったため、ポリゴンは既製のZK技術スタックを容易に採用できると指摘し、将来の方向性を示唆した。
ブテリン氏のコメントに対し、ナイルワル氏からの公式な返答はまだなく、ポリゴンとイーサリアムエコシステムとの関係についての対話の行方が注目される。
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