中国国家安全部、虹彩データ収集の仮想通貨事業を警告

中国国家安全部は6日、外国企業が仮想通貨を名目に虹彩データを収集し、国家安全保障を脅かしていると警告した。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
中国国家安全部、虹彩データ収集の仮想通貨事業を警告

Key Notes

  • 中国国家安全部が、仮想通貨を報酬とした虹彩データ収集に国家安全保障上の懸念を表明.
  • 虹彩データは国外に移転されており、スパイ活動や個人情報の悪用に繋がるリスクが指摘されている.
  • 名指しは避けられたが、Worldcoinの事業モデルと酷似しており、同トークン価格は下落した.

中国国家安全部は6日、公式WeChatアカウントを通じて、暗号資産(仮想通貨)の報酬と引き換えに虹彩データを収集する外国企業について国家安全保障上の脅威になると警告した。

同部は、収集された生体認証データが国外へ転送され、個人情報保護と国家安全保障の両面で深刻なリスクをもたらすと指摘している。

特定企業名は明示されていないものの、その内容はワールドコインの事業モデルと酷似している。

生体データの悪用リスクを強調

国家安全部は声明で、ある外国企業がミームコインの発行を口実に、世界中のユーザーから虹彩情報をスキャンして収集し、データを他の場所に転送した事例を挙げた。

同部は、このような行為が個人情報セキュリティと国家安全保障に対する脅威を構成すると断じている。

虹彩認識技術は高精度な生体認証手法として機密性の高い分野で使用されているが、同時に悪用の標的にもなりやすい。

一度漏洩した生体認証の鍵は変更がほぼ不可能であることから、その深刻性が強調された。

国家安全部はまた、外国の情報機関が顔データを偽造してスパイ活動を行い、重要な職場への潜入に利用した事例や、指紋認証決済システムに侵入したハッカーの事例を引用。

生体認証は利便性をもたらすが、そのセキュリティを重視し、個人の生体情報を提供する際は慎重であるべきだと注意を促した。

世界的な規制強化の流れ

この警告は、虹彩スキャンと引き換えにワールド(WLD)を配布するワールドプロジェクトを念頭に置いているとみられる。

OpenAIのサム・アルトマンCEOが共同設立した同プロジェクトは、グローバルなアイデンティティネットワーク構築を目指している。

ワールドはウェブサイトによると160か国で事業を展開しているが、中国は含まれていない。

しかし、同プロジェクトはすでにドイツ、フランス、ケニアで規制当局からの反発に直面しており、インフォームドコンセント、データ保管、監視の可能性について懸念が高まっている。

中国の警告を受けて、アルトコインのWLDトークンの価格は4%下落し、93セントで取引されている。

この反応は、規制リスクに対する投資家の懸念を反映している。

中国当局は今後、同様のプロジェクトに対する規制を強化し、デジタル経済における統制を維持する姿勢を示している。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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