イーサリアム企業コンセンシスは、ETHをトラストウェアと位置づけるレポートを発表。デジタル経済の基盤としての役割を強調。
イーサリアム開発企業コンセンシスはこのほど、イーサリアム(ETH)の10周年記念に向けレポート信頼の産業化を公開した。
同レポートでは、イーサリアムを新しい技術カテゴリーのトラストウェアとして位置づけ、デジタル経済における信頼の基盤インフラになると主張している。
米テキサス州に本社を置く同社は、独自のコスト・トゥ・コラプトモデルを用いて、ETH価格が2025年末に4900ドル、2028年に1万5800ドルに達する可能性を示した。
信頼の第3時代を支える新インフラ
コンセンシスのジェイソン・ラインハン最高戦略責任者は、信頼の歴史を3つの時代に分類している。
部族間信頼、制度的信頼に続く第3の時代として、暗号学と経済学に基づくデジタル信頼の時代が到来したと説明する。
トラストウェアは、紙ベース台帳や金属貨幣、私的データベースからプログラム可能で暗号学的に安全なデジタルインフラへの大規模アップグレードを可能にする。
コンセンシスは湿件(脳)が思考を、ハードウェアが電子を、ソフトウェアが命令を動かすように、トラストウェアは価値を動かすと表現している。
イーサリアムのトラストウェアは、こうした中央集権的な仲介者を必要とせず、24時間365日稼働する改ざん耐性のある運用を実現する。
圧倒的な市場シェアと成長ポテンシャル
イーサリアムは現在、ビットコイン(BTC)以外のデジタル資産の50%以上を支えている。
具体的には、ステーブルコインの60%、DeFi資本の60%、株式や債券などのトークン化された現実世界資産の80%がイーサリアム上で運用されている。
過去12か月で、イーサリアムは14兆2600億ドル相当のステーブルコイン取引を処理した。
ソラナが203億ドル、アバランチが37億ドルの資産を保護するのに対し、イーサリアムは2200億ドルの高品質流動資産を保護している。
2028年に向けた「エージェント金融」時代の到来
コンセンシスは、次の時代をエージェント金融と予想している。
トークン化された現実世界資産やその他の資産クラスが、高度なアルゴリズムによって1日24時間、年中無休で数千回単位で取引される時代だ。
コスト・トゥ・コラプトモデルは、イーサリアムの市場価値とネットワークが保護する経済活動に必要なセキュリティを関連付ける評価フレームワーク。
ネットワークが保護する価値が高いほど、攻撃コストも高くなるという単純な前提に基づいている。
同モデルでは、2028年までにステーブルコインで1兆ドル、トークン化された現実世界資産で5000億ドル、DeFiの総価値固定で3000億ドルを想定している。
ラインハン氏はこれらの数値を保守的と評価している。
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