オンチェーンデータによると、イーサリアム長期保有者が2021年2月以来の最高水準で売却を加速。1日平均4.5万ETHが市場に放出中。
オンチェーン分析プラットフォームのグラスノードは14日、イーサリアム(ETH)の長期保有者が8月下旬以降、売却を加速させていると報告した。
グラスノードのレポートによると、3年から10年間イーサリアムを保有するベテラン投資家による売りが、2021年2月以来の最高水準に達している。
90日単純移動平均で、1日あたり平均4万5000 ETH以上、現在の価格で約1億4000万ドル相当が売られている計算だ。
この動きはイーサリアムの価格下落と連動している。イーサリアムは木曜日の高値3565ドルから金曜日の安値3060ドルまで14%急落し、前週の上昇分を全て失った。
イーサリアムを取り巻く市場環境の変化
長期保有者の売り圧力の背景には複数の要因が存在する。
10月下旬以降、米国の現物イーサリアムETFから14億ドル以上の純流出が観測され、価格への下押し圧力となっている。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な姿勢により、12月の利下げ期待が後退し、暗号資産(仮想通貨)市場全体が軟調に推移している。
トークンターミナルのデータでは、月間アクティブアドレス数が9月の900万超から820万に減少し、取引手数料も過去1ヶ月で42%減の2700万ドルに落ち込んだ。
このようなネットワーク活動の低下は、スマートコントラクトやDeFi、NFT取引を動かす、デジタルオイルとしてのイーサリアム需要の減少を示唆している。
ビットコインとの対照的な動き
グラスノードの分析によると、ビットコイン(BTC)とイーサリアムの保有者行動の根本的な違いを浮き彫りにした。
ビットコインの供給量の約61%は1年以上動かされておらず、デジタルゴールドとしての貯蓄資産の役割を果たしている。
一方、イーサリアムは取引手数料の支払いやステーキング、分散型アプリケーションの担保として常に利用されるデジタルオイルの性質が強い。
今回の売りは、イーサリアムにとって重要な時期に発生している。2025年12月3日に予定されているFusakaアップグレードでは、スケーラビリティ向上や手数料削減が目指される。
現在の売り圧力にもかかわらず、イーサリアムの供給量の約25%はステーキング契約やETF商品にロックされており、実用性と価値保存の両面を兼ね備えていることを示している。
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