イーサリアム研究者が次期アップグレード「Hegota」に向け、検閲耐性を強化する「FOCIL」を提案。中央集権化リスクに対処。
イーサリアム財団のトーマス・ティエリー研究者は28日、次期アップグレード「Hegota」に向けた新機能「FOCIL」を正式に提案した。
検閲耐性の強化を目指すFOCIL
ティエリー氏は今回、EIP-7805として指定される「Fork-Choice Enforced Inclusion Lists(FOCIL)」を提案した。これは2026年後半に予定される「Hegota」アップグレードの主要機能となる見込みだ。
FOCILは、イーサリアム(ETH)のプロトコル層における新たなメカニズム。
フォーク選択ルールを変更することで、有効なトランザクションを一定時間内にブロックへ含めることを強制する仕組みだ。これにより、特定の取引が恣意的に排除されるのを防ぐ狙いがある。
現在のイーサリアムでは、ブロック構築が特定のビルダーに依存する傾向がある。
FOCILはこの権限を分散させ、複数のバリデーターが協力してトランザクション処理を保証するプロセスへと移行させる。ティエリー氏は、これが検閲耐性の確保に不可欠だと強調している。
中央集権化リスクへの対応
今回の提案の背景には、トランザクション処理における中央集権化への懸念がある。特に「最大抽出可能価値(MEV)」の追求により、一部のブロックビルダーに力が集中している現状が問題視されていた。
少数の事業者がブロック生成を支配すれば、特定の取引を排除することも理論上は可能になる。
FOCILは以前のアップグレード「Glamsterdam」でも検討されたが、当時はインセンティブ設計の課題から見送られていた経緯がある。
今回の提案では、ブロックチェーンのバリデーターがルールに従うことで経済的な利益を得られる仕組みが盛り込まれた。これにより、以前の設計で懸念されていた「利他的な行動」への依存という問題が解消されている。
ただし、現時点でのFOCILはスケーリングに重要な「Blobトランザクション」などはサポート対象外だ。
開発チームは、まずは検閲耐性の強化を優先し、これらの機能については将来的なアップデートで対応する方針を示している。
イーサリアム財団のロードマップでも、HegotaにおけるFOCILの実装は重要な位置を占めている。
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