米上場企業ETHZillaが約117億円相当のイーサリアムを売却し、債務返済に充てると発表。従来のETH財務戦略を終了しRWA事業へ注力する。
米ナスダック上場企業のETHZillaは22日、債務返済のため、保有するイーサリアム(ETH)の一部を売却したことを明らかにした。
同社は2万4291ETHを、平均価格3068ドルで売却し、約7450万ドルを調達した。
この資金は、発行済みの担保付き転換社債の償還に充てられる予定だ。
ETHZillaによれば、今回の売却後も同社のバランスシートには約6万9800ETHが残っており、引き続き暗号資産(仮想通貨)を保有する方針としている。
財務戦略の転換とRWAへの注力
米ナスダック上場企業のETHZillaは、従来のデジタル資産財務(DAT)モデルから脱却し、現実資産(RWA)のトークン化事業による収益とキャッシュフローの成長に注力する方針を明らかにした。
これまで同社はイーサリアムを主要な財務資産として保有する戦略を掲げていたが、今後はmNAV(純資産価値)ダッシュボードの公開を終了し、事業収益の拡大に重きを置く方針に転換する。
As part of redeeming our outstanding senior secured convertible notes, ETHZilla sold 24,291 ETH for approximately $74.5 million. We plan to use all, or a significant portion, of the proceeds to fund the redemption. The dashboard below excludes cash on the balance sheet which… pic.twitter.com/c5HMDrf48X
— ETHZilla (@ETHZilla_ETHZ) December 22, 2025
同社のマカンドリュー・ルディシルCEOは、今回の債務償還について「バランスシートを強化し、財務的な柔軟性を最大化するため」と説明している。
今後はRWA分野でのリーダーシップ確立を目指し、以前出資したトークン化スタートアップとの連携なども進める考えだ。
株価低迷と市場環境の影響
一方、戦略変更の背景には株価低迷がある。
ピーク時から90%以上下落し、イーサリアム価格の下落幅約35%と比較して、時価総額と純資産価値に大きな乖離が生じていた。
株価低迷により追加のイーサリアム購入資金の調達は困難となり、10月には自社株買いのために一部ETHを売却したが、株価への効果は一時的にとどまった。
この方針転換に対して、コミュニティからはETH重視のブランディングからの急速な変化に批判的な声も上がっている。
ETHZillaは今後も定期的な資産報告を継続する方針だが、市場の信頼回復が課題となりそうだ。こうした状況下では、慎重な仮想通貨投資判断が求められるとみられる。
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