EU、ロシアへの仮想通貨取引を全面禁止へ|制裁回避を阻止

On 2月 12, 2026 at 10:04 pm UTC by · 1 min read

欧州委員会は、ロシアの制裁回避を防ぐため、同国に関連する全仮想通貨取引を禁止する第20次制裁案を策定した。

欧州委員会は9日、ロシアに関連するすべての暗号資産(仮想通貨)取引を包括的に禁止する新たな制裁案を策定した。

これは第20次制裁パッケージの一環であり、従来の個別プラットフォームへの制裁から方針を大きく転換するものだ。

英フィナンシャル・タイムズの報道によると、この提案はロシア国内で設立された暗号資産サービスプロバイダーとの取引を全面的に禁じる内容となっている。EUの個人および企業は、ロシア関連の実体との送金や交換を促進するプラットフォームの利用ができなくなる。

制裁回避の抜け穴を塞ぐ狙い

今回の措置は、特定の事業者を対象とした従来の制裁が十分に機能していないという認識に基づいている。EU当局は、制裁対象となった事業者の代わりとなる組織が次々と現れることで、これまでの対策の効果が弱められていると判断した。

具体的には、すでに米国から制裁を受けている取引所「Garantex(ガランテックス)」や、決済プラットフォーム「A7」周辺のエコシステムが標的となる。特にA7が発行するルーブル裏付けのステーブルコイン「A7A5」は、欧米の規制にもかかわらず、累積取引額が1000億ドル(約15兆4000億円)を超えている。

A7はドバイやイスタンブールに拠点を設け、海外にいるロシア人観光客への現金提供や、中国との企業間決済を支援しているとされる。

モルドバの実業家やロシアの銀行との関連も指摘されており、第三国の管轄区域を利用した金融操作が制裁回避の主要なルートになっている。こうした動きに対し、EUはブロックチェーン分析などを通じて監視を強めている。

デジタルルーブルや地方銀行も対象に

新たな制裁案には、仮想通貨の禁止以外にも複数の追加措置が含まれている。

EUはロシアの地方銀行約20行をブラックリストに追加するほか、ロシアが計画している「デジタルルーブル」に関連する取引の禁止も導入する予定だ。

また、キルギスを経由した軍事転用可能な物品の輸出制限も検討されている。ウクライナ侵攻以降、EUからキルギスへの輸出は約800%増加し、同国からロシアへの輸出は1200%も急増しており、制裁逃れの経由地となっている懸念があるためだ。

ただし、この包括的な禁止案の実施にはEU加盟全27カ国の全会一致が必要となる。内部文書によると、すでに3カ国がこの包括的な禁止措置に対して懸念を表明しており、最終的な合意形成には調整が必要となる見通しだ。

Share:
Exit mobile version