米仮想通貨企業フィギュア、新規株式公開をSECに申請

元SoFiのCEOが率いるフィンテック企業フィギュアがIPOを非公開申請。デジタル資産への関心が高まる中、株式公開を目指す。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
米仮想通貨企業フィギュア、新規株式公開をSECに申請

Key Notes

  • ブロックチェーン技術のフィギュアが、米国証券取引委員会にIPOを非公開申請した.
  • 160億ドル以上の実物資産取引を処理したブロックチェーンProvenanceを運営している.
  • 暗号資産インフラへの需要増加と規制環境の改善が、IPOの背景にある.

米フィンテック企業フィギュア・テクノロジー・ソリューションズは4日、米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の機密書類を提出した。

同社はブロックチェーンプラットフォームのプロビナンスを運営しており、住宅ローン担保証券など160億ドル以上の実物資産取引を処理した実績を持つ。

先月にはブロックチェーン基盤の取引プラットフォームであるフィギュア・マーケッツとの合併を完了。

マネーマーケット商品に裏付けられた利回り付きステーブルコインの発行体としての地位も確立している。

IPOラッシュが示す市場の転換期

フィギュアのIPO計画は、ブロックチェーン基盤の金融インフラに対する需要の高まりを背景にしている。

同様に株式公開を目指すサークル、ブリッシュ、イートロといった企業の動向と軌を一にするものだ。

特にUSDCステーブルコイン発行体のサークルは今年初めにナスダックで華々しい上場を果たし、IPO価格30ドル前後から300ドルまで株価が急騰した。

この成功により、暗号資産(仮想通貨)関連企業のIPOに対する投資家の信頼感が大幅に向上している。

米国内での規制明確化が進んだことや、フィンテックセクターの好調なパフォーマンスが追い風となっている。

これは最近承認された現物ビットコインETFのように、伝統的な金融と仮想通貨インフラの融合という大きな潮流を示している。

慎重な戦略でタイミングを見極め

同社は最初のIPO計画を2024年3月に提出していたが、同年のIPO市場の活動が低調だったため計画を一時停止していた。

今回の再申請は、市場の機が熟すのを待っての戦略的な一手と見られる。

フィギュア・マーケッツのマイケル・タネンバウムCEOは「我々が必ずしもフィンテックの先陣を切るわけではない。市場の機運が高まるのを待っている」と述べており、慎重なアプローチを維持している。

同社はIPOプロセスを円滑に進めるため、ロナルド・キレミ氏を最高法務責任者、IPO経験を持つマクリナ・キル氏を最高財務責任者として迎え、経営陣を強化した。

フィギュアの住宅担保与信事業は、住宅価格の上昇と住宅所有者の借り換え控えにより恩恵を受けている。

ブロックチェーン技術による融資コスト削減と、クレディット・カルマやギャランティード・レートとの提携により、昨年の融資額は50%増の51億ドルに達した。

同社の融資損失率は1%以下を維持しており、堅実な財務基盤を築いている。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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