金融庁は、仮想通貨マネロン対策を強化する民間主導の実証実験を支援。16社が参加、不正ウォレット情報の共有や法的課題を検証。
日本の金融庁は2月27日、暗号資産(仮想通貨)のマネーロンダリング対策(AML)強化を目的とした民間主導の実証実験を支援すると明かした。
コンサルティング企業finojectが主導し、あおぞら銀行やGMOコイン、ビットバンク、楽天ウォレットなど16社が参加。
不正ウォレットアドレス情報の業界横断共有という新たな枠組みの有効性と法的課題を検証する。
不正アドレスを16社で横断共有する仕組みを検証
finojectのプレスリリースによると、実証実験は2026年3月から5月にかけて実施される予定。
日立製作所が申請企業となり、finojectがプロジェクトを主導する。
対象は仮想通貨だけでなく、ステーブルコインやNFTを含むデジタルアセット全般に及ぶ。
実験の核となるのは、不正が疑われるウォレットアドレス情報を参加企業間でリアルタイムに共有する枠組みの構築だ。
ブロックチェーン上の不審な取引パターンを早期に把握し、詐欺・不正送金の被害拡大を未然に防ぐことを目指す。
finojectは2025年2月から4月にも同様の先行実験を実施しており、今回はその成果を踏まえた第二弾となる。
個人情報保護など法的論点を整理し実務ルールを確立へ
FinTech実証実験ハブは、前例のない実験に挑む企業が抱える懸念を払拭するため、金融庁が2017年に設立した支援制度。
近年、仮想通貨を用いた詐欺や不正送金、マネーロンダリングなどの犯罪被害が世界的に増加している。
今回の採択では、取引時点でのリスク評価や民間主体による新たな情報連携モデルの可能性が評価された。
企業間でデータを共有するにあたり、個人情報保護上の留意事項や情報の取り扱い範囲といった法的課題を整理することも実験の重要な目的の一つとなる。
金融庁は実験終了後、コンプライアンスや監督上の留意点を含む包括的な結果を公表する予定だ。
民間主導のイノベーションを支援しながら、利用者が安全にデジタル資産を取引できる環境の整備を進めていく。
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