独NRW銀行、ポリゴン上で1億ユーロのブロックチェーン債券を発行

独開発銀行NRW.BANKは、ポリゴンブロックチェーン上で初の暗号証券として1億ユーロの債券を発行。ドイツの電子証券法を活用し資本市場のデジタル化を推進。

倉元 大智 By 倉元 大智 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
独NRW銀行、ポリゴン上で1億ユーロのブロックチェーン債券を発行

Key Notes

  • 独NRW銀行がポリゴンブロックチェーン上で初の暗号証券として1億ユーロの債券を発行した.
  • ドイツの電子証券法(eWpG)を法的基盤とし、Cashlinkが登記を管理する.
  • この動きは、資本市場におけるブロックチェーン技術の制度的採用が進んでいることを示している.

ドイツ第2位の開発銀行であるNRW.BANKは9日、ポリゴンブロックチェーン上で初となる1億ユーロ(約170億円)規模の債券を発行したことが明らかになった

この債券は、ドイツの電子証券法に基づくいわゆる「暗号証券」として発行されたものである。満期は2027年7月9日で、年利2.160%の固定クーポンが付く。

登録は、ドイツ連邦金融監督庁の認可を受けた登記機関であるCashlink Technologies社が管理する暗号証券登記簿に記録される。

技術と規制が支えるデジタル債券

今回の発行は、トークン化された証券の法的基盤を確立したドイツの電子証券法を活用している。

これにより、欧州の暗号資産(仮想通貨)市場規則(MiCA)やマネーロンダリング防止規制に準拠したオンチェーンでの発行が可能となった。

技術面では、ポリゴンブロックチェーンとCashlinkのプラットフォームを採用した。このインフラは決済時間の短縮と運用コストの削減を実現し、欧州資本市場におけるブロックチェーン技術の広範な導入の流れと一致する。

引受幹事はデカバンク、ドイツ銀行、DZ BANKが務め、カストディアンはDZ BANKが担当する。

資本市場デジタル化の新たな一歩

この動きは、2024年にドイツ復興金融公庫が実施した1億ユーロのブロックチェーン債券発行に続くものだ。NRW.BANKの今回の発行は、資本市場におけるブロックチェーン技術に対する機関投資家の信頼が高まっていることを示している。

この債券は、NRW.BANKの2025年の資金調達計画の一環である。同計画では、ベンチマーク債やグリーン/ソーシャルボンドなどを含め、総額110億から130億ユーロの調達を目指している。

NRW.BANKの債券クーポンレートが2.160%であるのに対し、KfWの債券は3.125%だった。この差は、フィッチ、ムーディーズ、S&PからAAA/Aaaの格付けを得ているNRW.BANKの高い信用力を反映している。

今回の発行は、ドイツが規制革新と先端技術を融合させ、資本市場のデジタル化を推進する上での重要な節目となる。

ポリゴンは、主要なスマートコントラクトプラットフォームであるイーサリアムと互換性を持つことから、多くのプロジェクトで採用が進んでいる。

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倉元 大智

暗号資産業界で5年以上の取材・執筆経験を持つフリーランスライター。ブロックチェーン技術の仕組みから最新のDeFiプロジェクト、NFT市場の動向まで幅広くカバー。複雑な技術概念を分かりやすく解説することを得意とし、初心者から上級者まで読者のレベルに合わせた記事執筆を行う。

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