イギリスの金探鉱会社ハマック・ゴールドは、資産にビットコインを追加する戦略的転換を発表。金とデジタル資産の二本柱で事業展開。
英金探鉱会社ハマック・ゴールド・リミテッドは3日、企業資産にビットコイン(BTC)を追加する戦略的転換を決定した。
同社は247万ポンド(約5億1870万円)の資金調達を実施し、調達資金の一部をビットコイン取得に充てる方針を明らかにした。
今回の増資では1株当たり0.8ペンスで3億840万株の新株を発行し、発行価格は前日終値から27%のディスカウントとなった。
新株は拡大後の発行済株式数の68%を占め、投資家には2年間の新株予約権が付与された。
カタール王族系投資家も参画、経営陣刷新
今回の資金調達にはカタール王族のナエフ・ビン・エイド・アル・タニ王子の投資部門であるMBSグローバル・インベストメンツが10万ポンドを出資した。
同時に経営陣の刷新も実施され、MBSグローバル・インベストメンツの元最高財務責任者ニック・サーロー氏を会長に、ジェームス・ローレンス氏を取締役に任命した。
ハマック・ゴールドのニック・サーロー会長は「追加資本の注入により、金探鉱事業の機会を最大化し、ビットコイン財務管理で英国市場をリードする2つの中核目標を並行して追求する立場にある」と述べた。
新たな取締役陣は中東との関係強化を図り、金とデジタル資産という二つの分野での成長戦略を推進する。
近年、暗号資産(仮想通貨)市場では、従来の金融機関や企業が資産の多角化手段としてアルトコインへの購入も検討する動きが広がっている。
株価6%上昇、市場が戦略転換を評価
この戦略転換の発表を受けて、同社株価は6%上昇し1.17ペンスとなった。
投資家が金とビットコインの組み合わせによる新たな財務戦略に期待を寄せていることが株価の上昇に反映された。
ハマックは従来の金探鉱事業を継続しながら、ビットコイン財務管理政策を並行して実施する方針。
同社はロンドン証券取引所のメインマーケットでの新株取引開始を7月4日頃に予定している。
英国では過去2週間で少なくとも9社がデジタル資産購入の意向を示しており、ハマックの動きは企業によるビットコイン採用の広がりを示す事例となっている。
この流れは、米国のマイケル・セイラー率いるストラテジー社の成功事例に触発されたものとされる。
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