デジタル資産運用会社グレースケールは、イーサリアムのカバードコール戦略を用いたETF、ETCOをローンチした。
デジタル資産運用大手のグレースケールは4日、イーサリアム(ETH)カバードコールETFであるETCOの取引を開始した。
同ETFは現在ニューヨーク証券取引所で取引されており、2週間ごとに分配金を支払う仕組みとなっている。
ETCOはイーサリアムを直接保有せず、イーサリアム関連上場投資商品に対するコール・オプションを売却することで収益を創出する。
この戦略により投資家は、現在の相場価格付近でオプションを売却して得られるプレミアムから定期的な収入を得ることができる。
ETCOの運用戦略と投資家への影響
ETCOは経費率0.66%でアクティブ運用型ファンドとして設計されている。
ローンチ時の純資産価値は1株当たり35.01ドル、発行済み株式数は4万株、運用資産残高は約140万ドルとなった。
カバードコール戦略は市場の下落局面でボラティリティを緩和する効果が期待される一方、上昇局面では利益が限定的となる特徴がある。
グレースケールのETF資本市場のクリスタ・リンチシニアバイスプレジデントは「投資家の既存のイーサリアム・エクスポージャーを補完し、インカム要素を追加するよう設計されている」と述べた。
イーサリアム市場の好調と機関投資家の需要
ETCOのローンチは、イーサリアムの好調な市場パフォーマンスを背景としている。
2025年に入ってからイーサリアムは約34%上昇し、ビットコイン(BTC)の20%上昇を大きく上回っている。
特に8月には現物イーサリアムETFへの資金流入が記録的な水準に達し、機関投資家の関心の高まりを示した。
ブロックワークス・リサーチによると、イーサリアムETFは累計で230億ドルを超える資金流入を記録している。
ブラックロックのETHAが約130億ドルで首位に立ち、グレースケールのETHEが約47億ドルで2位、フィデリティのFETHが27億ドルで3位となっている。
グレースケールは既にビットコイン・カバードコールETFやプレミアム・インカムETFを提供。
ETCOの追加は利回り重視の暗号資産(仮想通貨)投資商品に対する需要の高まりに応える戦略的な一手となっている。
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