ハーバード大学の基金運用会社が、ブラックロック社の現物ビットコインETF(IBIT)に1億1,660万ドル超を投資していたことが判明。
ハーバード大学の基金を運用するハーバード・マネジメント・カンパニーは8日、米証券取引委員会(SEC)への提出書類を通じて、ブラックロック社の現物ビットコインETF(上場投資信託)に大規模な資金を投じていたことを明らかにした。
同社は6月30日時点で、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)を190万6,000株保有しており、その価値は約1億1,660万ドルに相当する。
ビットコインETFが牽引する機関投資家の参入
2024年1月にSECが承認した現物ビットコインETFは、機関投資家が仮想通貨を直接保管・管理するリスクを負うことなく、規制された市場でビットコインにアクセスすることを可能にした。
特にIBITは、運用資産が863億ドルを超える主導的な商品として、リスク管理を重視する機関投資家にとって魅力的な選択肢となっている。
多くの大学基金は、ビットコインをインフレやマクロ経済の不安定性に対するヘッジ手段として捉え始めている。
年金基金やヘッジファンドなど、他の伝統的な金融機関による仮想通貨市場への参入も、大学基金の動きを後押しした側面がある。
伝統的機関におけるビットコイン戦略転換
ハーバード大学の今回の投資は、仮想通貨を直接所有するのではなく、規制された金融商品を通じて市場に参入するという戦略的な仮想通貨投資のアプローチだ。
同じアイビーリーグに属するブラウン大学も、IBITの保有量を2025年第1四半期の10万5,000株から第2四半期には21万2,500株へと倍増させている。
ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、アイビーリーグの大学基金による参加がIBITの成長に大きく貢献したと分析する。
ハーバード大学はSECへの提出書類以外に公式なコメントを出しておらず、新たな資産クラスに参入する際の主要機関投資家特有の慎重な姿勢を維持している。
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