Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。
JPYC株式会社は27日、日本円と1:1で連動するステーブルコインJPYCの正式ローンチを発表するとともに、専用発行・償還プラットフォームであるJPYC EXの提供を開始した。
JPYCは、国内銀行の預金と日本国債を準備金として100%裏付けられており、安全性が確保されている。
同社の岡部典孝CEOは、JPYCから日本円への交換が可能で、ステーブルコイン送金時には取引手数料がかからないと説明。初期段階では、アバランチ(AVAX)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)の各ブロックチェーンで利用できる。
今回のローンチは金融庁の承認を受けたもので、主要経済国の通貨に裏付けられた本格的な非米ドル建てステーブルコインとしては国内初となる。現金決済が根強い日本経済において、デジタル資産の利用が大きく前進する一歩となった。
JPYCの登場は、長らく現金とクレジットカードが主流であった日本の決済インフラに変化をもたらす可能性がある。
政府のデータによると、日本のデジタル決済比率は2010年の13.2%から2024年には42.8%超へと大幅に増加しており、ステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)受け入れる土壌が整いつつある。
日本政府が法整備を通じてステーブルコインを承認したことは、デジタル金融の近代化に向けた戦略的な転換を意味する。
さらに、三菱UFJ、三井住友、みずほの大手金融機関3社も、2025年10月31日に共同で円建てステーブルコインのシステムを設立する計画であり、業界全体でデジタル通貨への動きが加速している。
JPYCは、発行量に応じて日本国債を購入し、その金利から収益を得るビジネスモデルを採用。この仕組みは、ステーブルコインの流通量と日本国債の需要を直接結びつけ、日本の債券市場の力学に影響を与える可能性がある。
JPYCの岡部CEOは、主な需要を国内の機関投資家、ヘッジファンド、ファミリーオフィスから見込んでいると述べている。同社は将来的にデジタル円としてJPYCの国際的な利用を拡大し、国境を越えた決済手段としての地位を確立する計画だ。
同社の事業モデルでは、発行するステーブルコインが増えるほど、購入する日本国債も増加する。これにより、流通量と国債保有量が直接的に相関し、国債の金利が収益源となる。
この動きは、日本の大手3メガバンクが計画するステーブルコインの導入に先立つものだ。銀行連合のステーブルコインは、2025年11月中旬までに60万以上のNetStars決済端末との連携を目指している。
JPYCの登場は、世界のステーブルコイン市場における重要な進展となる見込みだ。主要経済国の通貨に裏付けられた初の非米ドル建てステーブルコインとして、地域金融市場の多様化を促し、日本国債への需要を強化する可能性がある。
JPYCは、その基盤技術としてブロックチェーンを採用しており、透明性と 安全性の高い取引を実現している。
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Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。