イーサリアムが史上最高値である4,957.67ドルに達した。金融緩和期待やETF、機関投資家などによる資金流入の増加が背景にある。
金融緩和期待と機関投資家の参入が追い風
イーサリアム価格急騰の主な要因は、8月22日に開催されたジャクソンホール会議での米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長による発言とみられる。議長は9月に0.25%の利下げの可能性を示した。 この発表は金融市場のリスク回避姿勢を大幅に緩和させ、暗号資産(仮想通貨)のような資産に恩恵をもたらした。 また、機関投資家の採用も加速しており、イーサリアム現物ETFには21日に2億8,770万ドル、翌22日には3億3,770万ドルの純流入があった。 さらに、規制の進展も重要な役割を果たしている。7月に承認されたジーニアス法や、米証券取引委員会(SEC)の新たな枠組みが、規制の不確実性を低減させた。イーサリアム関連ニュース
シャープリング、15億ドル規模の自社株買いへ
イーサリアム保有企業のシャープリンクが、最大15億ドルの自社株買い戻しプログラムを発表した。株価が保有イーサリアムの純資産価値を下回っているため、買い戻しが株主価値を高める戦略的判断とされた。この動きは、イーサリアムの長期的な価値への信頼を示し、同社の市場での地位を強化するものである。
イーサリアム2万ドル到達予測、アーサー・ヘイズ氏
BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創業者は、イーサリアムが今サイクルで2万ドルに達する可能性があると予測した。予測の背景には、米国の信用拡大やブラックロック、ビットマインなど機関投資家による積極的な買い入れがある。ヘイズ氏はイーサリアムだけでなくビットコインにも強気な見方を示しており、マクロ経済の動向が市場全体を押し上げると分析している。
仮想通貨企業、イーサリアム売却でビットコイン蓄積か
マトリックスポート関連ウォレットが、約4億5,200万ドル相当のETHを売却し、約2億7,200万ドル相当のBTCを購入したとみられる。この動きは、イーサリアムが史上最高値を更新した直後に行われ、利益確定の動きとの見方が強い。機関投資家は、アルトコインのボラティリティを警戒し、より安定した資産としてビットコインを好む傾向が見られる。
イーサリアムのガス代、価格高騰下で低水準を推移
イーサリアムのガス代は、価格高騰にもかかわらず、過去1週間で1日の中央値ガスはすべて1 gwei未満で、8月16日と17日は0.396 gweiと0.432 gweiを記録。5年間で絶対的な最低値と3番目に低い値となっている。ガス代低下の主な要因は、アップグレードやレイヤー2へのトランザクション移行が挙げられる。