決済大手ペイパルは、個人間送金用の新機能PayPal Linkを公開。BTCやETHなど仮想通貨の送受信が可能になり、米国から順次展開する。
決済大手のペイパルは15日、個人間(P2P)送金のための新機能PayPal Linkを公開し、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など暗号資産(仮想通貨)のサポートを拡大した。
この新機能は、4億以上のアクティブアカウントを持つ同社のエコシステム内で、仮想通貨の利便性を高める大きな一歩となる。
Launching today: PayPal links 🚀
Send and receive money as easily as sending a message–just share a one-time link by text, DM, or email.
Live now in the US, and more markets soon.
Coming next: crypto support for peer-to-peer via the PayPal app—including Bitcoin, Ethereum,… pic.twitter.com/H3ZDGUBGiS
— PayPal (@PayPal) September 15, 2025
PayPal Linkで仮想通貨送金がより手軽に
公式発表によると、PayPal Linkはペイパルアプリ内で生成される個人用のワンタイムリンクだ。
このリンクをテキストメッセージ、メール、チャットなどで共有することで、送金や受け取りのリクエストが可能になる。
ユーザーはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、PayPal USD(PYUSD)などの仮想通貨を、ペイパルやVenmoのユーザー、さらには互換性のある外部のデジタルウォレットへ直接送金できる。
同社は友人や家族間の支払いは一般的に免除されるため、Venmoやペイパルを通じた個人間の送金は、税務報告の対象にはならないと強調した。
この機能はまず米国で開始され、2025年後半には英国やイタリアなど他の国際市場へも展開される予定だ。
この動きは、ペイパルが2025年初頭に開始したブロックチェーンベースの決済サービスPay with Cryptoや、4月にチェーンリンク(LINK)とソラナ(SOL)をサービスに追加した取り組みに続くものだ。
仮想通貨を日常の決済手段へ
今回の仮想通貨統合は、デジタル資産を投機的な対象としてではなく、実用的な決済手段として位置付けるというペイパルの戦略的な転換を反映している。
ペイパルのコンシューマーグループ担当ゼネラルマネージャーであるディエゴ・スコッティ氏は、この更新を「デジタルマネーの進化における大きな一歩」と述べた。
ペイパルのP2P取引量は2025年第2四半期に10%増加し、Venmoは過去3年間で最も速い成長率を記録するなど、同社の戦略は確かな成長の勢いに支えられている。
この戦略の中心には、現金および米国債に完全に裏付けられたドル連動ステーブルコインであるPayPal USDが存在する。
PayPal Linkは1回の取引のみ有効なプライベートリンクを生成し、10日間使用されない場合は失効するため、乗っ取りや再利用を防ぐ。
これにより、仮想通貨が現金の送金と同じくらいシームレスになるという同社の広範なビジョンを実現し、ユーザーの金融取引における仮想通貨との関わり方を変える。
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