QUICKが国内取引所データを基に算出するQUICKビットコイン指数を導入。毎営業日更新で日本市場の現物BTC価格をリアルタイムに反映。
金融情報サービス大手の株式会社QUICKは1日、国内のビットコイン価格を示す「QUICKビットコイン指数」の本格的な算出と公表を開始した。
同指数は、国内で取引されるビットコインの円建て現物価格を反映するもので、QUICKが選定した国内暗号資産(仮想通貨)交換業者の取引データを基に算出される。
これにより、日本市場の実勢価格をより正確に把握できる指標として機能する。
これまで同社は試験運用として週1回の更新を行っていたが、本格導入に伴い更新頻度を引き上げ、今後は証券営業日に合わせ月曜から金曜まで毎日更新する。
QUICKは今回の取り組みにより、国内投資家がよりタイムリーにビットコイン市場を把握できる環境を提供するとしている。
ETFや金融商品への活用を視野に
QUICKビットコイン指数の開発は、同社が主催する暗号資産ベンチマーク研究会での議論を踏まえて進められたものだ。
仮想通貨交換業者、資産運用会社、信託銀行、証券会社、法律専門家らが参加し、国内市場に適した指標の在り方が慎重に検討された。
同指数は、将来的に日本国内で組成される可能性のある仮想通貨ETFや関連ファンド、先物取引などのデリバティブ商品における参照価格としての利用が想定されており、機関投資家による本格的なビットコイン運用を後押しする狙いがある。
QUICKは、国内でも仮想通貨ETFの組成や販売に向けた議論が進んでいることを踏まえ、信頼性の高い円建てベンチマークへの需要に応えると説明。
また、米国では既にビットコインETFの承認が進んでおり、グローバルな市場環境の整備が進行中。
こうした状況を背景に、日本の金融市場でも規制当局が関連商品の導入を検討する中で、標準化された指標の必要性が高まっていた。
リアルタイム指数の提供も予定
QUICKはさらに、12月22日から「QUICKビットコインリアルタイム指数」の提供も開始する予定だ。
標準指数が過去60分間の売買高加重平均を用いて算出されるのに対し、リアルタイム指数は直近15秒間の単純平均を採用する。
リアルタイム指数は15秒間隔で算出され、市場の実勢価格を即座に把握できる指標として設計されている。
このリアルタイム指数のウェブサイト上での公開は、2026年1月後半を見込んでいるという。
算出時間帯は両指数とも月曜日の午前7時から土曜日の午前6時50分までと幅広く設定されているが、当面の間、公表サイトでは標準指数の確報値のみが更新される。
こうしたインフラの整備は、日本国内の仮想通貨市場の透明性を高め、機関投資家の参入を促進する土台となることが期待されている。
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