リップルはルクセンブルクで電子マネー機関ライセンスを取得。これによりEU全域でのブロックチェーン決済サービスの提供が可能となる。
ブロックチェーン企業リップル社は2日、ルクセンブルクの金融規制当局から電子マネー機関(EMI)のライセンスを取得した。
この承認は、同国の金融監督委員会(CSSF)によるものだ。
同社は先月、予備承認を受けており、その後CSSFが義務付けたすべての規制要件を満たしたことで正式決定となった。
欧州市場全体で決済ソリューション拡大
このライセンスにより、同社は欧州連合(EU)市場全体でブロックチェーンベースの決済ソリューションを拡大できる。
具体的には、個別の加盟国で承認を得ることなく、EU全域でサービスを展開することが可能になる。これは「パスポート」と呼ばれる仕組みで、単一のライセンスで広範な市場へのアクセスが認められるものだ。
同社は公式発表の中で、このEMIステータスにより、EUの規制枠組み内で機関顧客に準拠したデジタル金融インフラを提供できると説明している。
銀行業務や投資業務のライセンスとは異なり、電子マネーの発行と決済サービスに特化したものだ。
世界で75を超える規制当局から承認
今回の決定は、欧州市場を最優先する同社の戦略を反映している。
英国および欧州担当マネージングディレクターのキャシー・クラドック氏は、完全なEMIライセンスの確保を「変革的なマイルストーン」と表現した。
同氏は、この動きが「欧州金融の中心におけるリップルの存在感を強化する」と述べている。
世界的な事業拡大において、地域ごとの規制枠組みに準拠したライセンスを積み重ねることが重要であるとの認識を示した。
同社は今年1月にも、英国の金融行動監視機構(FCA)からEMIライセンスと暗号資産(仮想通貨)登録の承認を得ている。
今回のEUライセンスと合わせ、欧州での強固な運営基盤が整ったことになる。
世界中で75を超える規制当局の承認を得ている点も強調された。複雑な規制環境に対応できる能力を示しており、マネーロンダリング対策(AML)などの規制を遵守しながら事業を進めている。
企業成長と今後の展望
規制面での進展は、同社の企業としての著しい成長とも連動している。2025年11月には約775億円の資金調達を実施し、企業評価額は約6兆2000億円に達した。
この資金調達は、シタデル・セキュリティーズやギャラクシー・デジタルに関連する投資事業体が主導したものだ。
また、同社は決済インフラを強化するための戦略的な企業買収も積極的に進めてきた。
昨年10月には財務管理プラットフォームのGTreasuryを約1550億円で買収。さらに8月には、ステーブルコイン決済プロバイダーであるRailを約310億円で傘下に収めた。
これらの動きは、仮想口座や自動化されたバックオフィス機能などをエコシステムに統合するものだ。新しいEMIライセンスによって可能になる事業拡大を、技術面から直接支えることになる。
同社は、自社を「デジタル資産分野で最も多くのライセンスを持つ企業の一つ」と位置付けている。この実績が、機関顧客からの持続的な信頼につながっていると分析している。
CSSFのライセンスは、従来のクロスボーダー決済システムに代わる効率的な手段への需要に応えるものだ。欧州企業は、取引コストの上昇や決済の遅延といった課題に対し、デジタルファーストな解決策を求めている。
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