米SECとCFTC、仮想通貨現物取引を容認へ|共同声明を公開

米SECとCFTCは共同声明で、登録済み取引所での特定の仮想通貨現物商品の取引を許可する方針を明らかにした。大きな政策転換となる。

宇城 良 By 宇城 良 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
米SECとCFTC、仮想通貨現物取引を容認へ|共同声明を公開

Key Notes

  • 米SECとCFTCが共同声明で、登録済み取引所での特定の仮想通貨現物取引を許可する方針を示した.
  • この動きは、米国内でのブロックチェーン技術開発を促進し、海外への技術流출を防ぐことを目的としている.
  • 規制当局は、議会の包括的な法整備に先立ち、現物取引の枠組みを提供した形となる.

米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は2日、登録済みの取引所が特定の暗号資産(仮想通貨)の現物商品を扱うことを禁じられていないとする共同スタッフ声明を公開した

この声明は、全国証券取引所や指定契約市場などが、既存の法律の下でデジタル資産を含む現物商品取引を仲介できることを明確にするものだ。

両機関は市場参加者に対し、必要に応じて協議するよう呼びかけている。

規制当局の協力と政策転換

この共同声明は、前政権の仮想通貨規制に対するアプローチからの大きな政策転換を意味する。

CFTCのキャロライン・D・ファム委員長代行は、この発表をこれまでの政策の不確実性を覆すものと位置づけている。

トランプ米国大統領が掲げる米国を世界の仮想通貨の中心地にするという方針とも関連している。

この決定は、7月の大統領作業部会による報告書を受けたものだ。

報告書は、ブロックチェーン技術における米国のリーダーシップを強化し、海外との競争に対抗する措置を勧告した。

SECとCFTCは、管轄権の重複や規制アプローチの対立といった過去の緊張関係を解消し、規制の明確化で協力する意向を示している。

規制当局は、仮想通貨分野の技術革新が海外へ流出し続ける現状に危機感を抱いており、国内での開発を促進する狙いがある。

以前、ゲイリー・ゲンスラー前SEC委員長は仮想通貨懐疑論者と評され、慎重な姿勢を維持していた。

市場参加者への道筋と今後の展望

今回の声明は、レバレッジや証拠金を伴う個人向け取引を含む特定の仮想通貨現物商品が、登録済みプラットフォームに上場することを禁止しない点を強調している。

両機関は、業界との対話チャネルを開放し続けることを約束した。

規制当局は今後、取引所からの申請を審査し、カストディや清算に関する問題に対応していく。

また、新たな現物市場が透明性、監視、利用者保護の基準を満たしているかを確認する方針だ。

この動きは、議会が業界の包括的な法律を制定する前に、現物取引の枠組みを提供するものであり、極めて重要だ。

こうした動きは、最近承認されたビットコインETFに続き、市場へのアクセスをさらに拡大させる。

SECのポール・アトキンス委員長は、これを業界にとって画期的な出来事と評し、取引所間の競争を促進するという委員会の姿勢を強調した。

両機関は今後も業界関係者との対話を続け、潜在的な商品について評価していく意向であり、デジタル資産分野における規制の進化が続くことを示している。

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宇城 良

仮想通貨ライター。取引歴5年、ブロックチェーン技術の解説から市場分析、DeFi・NFTの最新動向までカバーします。複雑なトピックを分かりやすく解説し、皆様の的確な意思決定をサポートします。

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